第36話 歪んだ思考、逸れる道

2022.5.12


私は、小さい頃から母親に罵詈雑言を浴びせられて育った。

ストレスで声が出なくなった時は、「口なし」「耳なし」と罵られた。


夜は寝返りを打つだけで怒られ、ぬいぐるみと2人、ぽつんと立たされた。


それが原因なのか、睡眠薬がなければあらゆる感覚が敏感になり、眠れなくなる。


些細な物音。

ドアやカーテンの隙間から見える、一筋の光。


そういったものが気になってしまう。


敷きパッドもタオル地、掛け物もタオルケットじゃないと眠れない。

パジャマも決まったものしか着ない。


小さな頃から、「私はいらない子どもなんだな」と子どもながらに思いながら生きてきたので、「自分を大切にする」という概念がない。


高校生や大学生の時は、お金に困ったら母ではなく、知らないおじさんに助けてもらった。

身体と引き換えに。


社会人になっても、困ればそうやってお金を稼ぐ。

もちろん、普通に仕事もしてるけど。


小さな頃は虐待され、大学生になってやっと実家から逃れて一人暮らしができたと思ったら、過去がフラッシュバックして盛大に自殺未遂をして救急搬送された。


それでも、大人になればきっと幸せになれると思っていた。

逆に「幸せになれなければ、私の人生って何なんだろう」って思っていた。

だから、一生懸命に頑張った。


でも、どうしようもないこともある。

どうしたって抗えないものもある。

消せないものもある。


結局、大人になったらこんな病気になってしまった。

生きてるだけで丸儲けなんて、誰のセリフだよ。


悲劇のヒロインぶるつもりはないけれど。


それでも、せめてつらい思いをした分、報われる人生であって欲しかった。


前向きに受診、薬を服用、のつもりではいるけど、心のどこかでは、もう自分自身の人生に匙を投げて、諦めている自分もいる。


もう抗うことに疲れて、人生に白旗を振った時は、幕引きの時だろう。


早く楽になりたいな。

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