第14話 狂気
2022.4.28
ふと、思う。
どうしたら夫が悲しい思いをするだろう?
夫がむせび泣くようなことをしてやりたい。
私に、泣いてわびるような、泣いてすがるようなことをしてやりたい。
夫が機嫌取りに買ってきたケーキは、イチゴだけ食べて捨てた。
翌日に買ってきたバラの花びらの入浴剤は、キッチンで燃やした。
怒らせるのはいとも簡単だ。
悲しませたい。
むせび泣いてほしい。
いつの頃からか、私は夫に対して憎悪の感情を抱いているのかもしれない。
過去の自殺未遂も、夫がトリガーだった。
今日もヘラヘラと野球中継をラジオでたれ流しながら帰ってきた。
消えてくれればいいのに。
消えてくれればいいのに。
私ばかりがこんな思い。
同じ思いを味わって欲しい。
でも、「普通の人」にはどうせわからないでしょ。
消えてくれないなら、私が消えればいい。
少しでもいいから、楽になりたくて、薬を手にする。
でも、そんなことしたら負けだよアンタ、と思う私もいる。
葛藤中。
誰か助けて。
なんて言ったって、誰も助けてなんかくれやしない。
一番つらい時、
一番悲しい時、
一番苦しい時、
一番の味方は自分だ。
でも、そんな自分を大切にできない私には、味方なんていない。
暇つぶしにOD。
そんな自分が、悲しい。
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