第12話

 ⑫某月某日某時

 電子メール



 ロダン。

 …やられた。

 母親と香典返しの品を買いに出かけた間、遂に家の窓が割られ例の彫像が盗まれた。

 何と言う事だろう。

 まさか本当にここまでするとは。

 勿論、犯人は分かっている。

 あの牧師だ。

 今、警察が自宅で鑑識をして指紋を採集してる。

 僕はあいつの顔を勿論知っているし、いずれ掴まるのも時間の問題だろう。

 そう、そう、ロダン。

 僕は君の忠告通りにしておいた。

 急いで逃亡しているあいつがそれに気づくかどうか…、だがもしそれが分かったとしても、その頃はきっと牢屋の中だろう。

 しかし、それが君の言う二十年前の事件の犯人かどうか。

 もしその通りならば君は役者の夢をあきらめて探偵になった方がいいね。

 これはもしそうならばと仮定した時の僕から君への賛辞だと受け止めて欲しい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る