第42話⁂葵が命の危機に⁈⁂
あの日葵達が施設に帰って行くと遊戯室は、血の海と化していた。
そこで驚いた葵が医師に食い下がった。
「ナッなんですか?この有様は………」
「イヤ!分からない。入所者に呼び出されて来たらこの有様さ?」
そこに警察車両やパトカーがやって来た。
入所者の話では遊戯室から逃げる人物がいたとの事、一体誰だったのか?
後を追撃するパトカー。
その時逃げた組員は柳田組の車に拾われて海外脱出を目論んでいる。
笠間市から茨木空港まで30分程なのでまだ間に合う。
こうして1台の車では怪しまれるので、何台もの車を乗り継いで、空港から無事最終便に間に合い22時過ぎに日本を脱出した。
余りの惨劇に目を疑う葵達なのだが、何と葵は聴覚障害の友達と仲良しだったが、その友達勇君も刺殺されていた。
「ひっ酷い酷すぎるワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」
泣き伏す葵だが、更に残念な事に、勇君と大の仲良しで葵もこの施設にやって来た時に会っていた、B君もくんも2日前から行方不明。
一方の麗奈も残念な事に弟をこの事件で亡くした。
この日の夕方弟を誘ったが、こんな空気の良い場所なので、いつでも見れるホタルなど珍しくも無いらしく、難色を示したので4人で出掛けた。
「一緒にホタル見に行かない?」
「そんなものいつでも見れるから」
その言葉が最期の言葉となってしまった事に、ショックを通り越して涙も出ない。
確かに施設の裏山でも少しは見れるのだが、都会っ子の麗奈は滅多とお目にかかれない蛍に興味津々。
「こんな事件が起きるのなら行かなければよかった。ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」
ショックの余り憔悴しきっている。
また、ミュ-ジシャン志望の矢口謙太と、あの当時から画壇に注目されていた優れた画風の知的障害田村洋介は、蛍を見に行っていたので難を逃れる事は出来たが、そのショックは計り知れないものが有る。
いつもどんな時も助け合っていた大切な同士を失った悲しみは、想像を絶するものが有る。
◆▽◆▽◆▽◆▽
時は過ぎ………
進展しない捜査に業を煮やした4人は、この怪奇な15人刺殺事件の事で頻繫に連絡を取り合っていた。
それはそうだろう。大切な兄弟や友達を失ってオメオメと引き下がるわけが無い
そんな時に顔の広い麗奈から、とんでもない施設の噂を耳にする。
「どうもあの医療療育センターで臓器摘出の部屋があるらしい?」
「エエ————————ッ!」
こうして、何か?きな臭い、胡散臭い、この施設での一連の事件、諸々の出来事を耳にしていた医師の葵は、アルバイトの名目で、この胡散臭い施設に侵入する事を企てる。
早速、行方不明になっているB君や、諸々の事件の詳しい経緯を調べるために赴いた。
調べていく内に、とうとう6階の怪しい部屋の事情を知った葵なのだが、そこでこの病院の理事長の兄の息子と言われている翔と知り合う。
それはある日の事、不審に思い、とりわけ従業員が少ない夜も深まった頃、病院内を探っていると、なんと同じ挙動不審の行動を取る少年と出くわした。
その当時18~19歳の翔と言う子も何か探っている様子。
そして…やがて、お互いの目標が一致している事が分かり、協力していく仲になる。
*あぁ~?それから……大切なご報告をしておかないと
実は葵は、姉で高名な医師夏美のお陰で顔はかなり治って、遠目には殆ど分からない程に回復していた。
また眼球の方も何とか正常に回復している。
本当に何よりの朗報。
だが、そんな矢先に葵が何者かに命を狙われ?・・・
「キャ————————ッ!」
帰らぬ人に………⁈
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