第6話⁂得体の知れない事件の幕開け⁈⁂
直樹と美咲は”オオカミ怪人”の居場所を懸命に捜すが、どこにも居ないのでひょっとしたら”オオカミ怪人”に危険が迫っているかも知れないと思い、今度は”オオカミ怪人”の両親の元に向かった。
””ピンポンピンポン””インタ―ホンを押す美咲。
「ごめん下さい。扇と申します」
暫く待っていると、六〇歳前後の如何にも優しそうな女性が玄関に現れた。
「どちら様ですか?」
「あぁ~?申し遅れました。私は〔OUGI探偵事務所〕の探偵です。それと私の夫で同じ探偵です。ところでお子さんのアオイさんはお見えですか?」
「アア~?葵ですか?葵は独り暮らしを始めたので家にはいません」
「あの~?私達は、実はあなたのお子様でキムラアオイさんという男性を、探して欲しいとの依頼を受けて、こうしてあなたのお子様を探し回っているのでございます。そこで文京区のお子様のお住まいであるアパ-トに伺ったのですが、もぬけの殻だったのです」
「エエエエ——————ッ本当ですか?アオイがアパ-トに居ないですって?いったいどこに行ったのかしらね……うちの子は、確かに木村葵と言いますが、それがどうしたのですか?家の子が何か法に反する問題でも起こしたのでしょうか?」
「いえいえ、そんなことはありません」
迷惑そうな表情の母親は尚も畳み掛ける。
「じゃ~?目的は何ですか?」
「…………」
「黙っていては分かりません。ハッキリと言って下さい」
「ハア…実はあなた方のお子様は、顔や体が毛に覆われていませんか?
実は……文京区界隈では、時折見掛ける毛むくじゃらの”オオカミ怪人”の存在と、深夜にバイオリンの音色が響き渡ると評判になって居るのです。そこで深夜寝静まった頃に響き渡るバイオリンの音色に、人々は困惑しているのですが、そこへ持って来て、バイオリンの音色が聞こえて来るその部屋の住人が、毛むくじゃらの”オオカミ怪人”そのものだと大層噂になってしまった始末で、そこで深夜に眠れないので注意しようと住人が伺ったが、門前払いを食らったとの事………そうこうしている内に居なくなってしまったので、家賃一ヶ月分の支払いが残っているので、大家さんの親戚と名乗る夫婦から探して下さいとの依頼が舞い込んで来たのです………それで必死に探し回っているのです」
「まぁ~?それはご迷惑を掛けました。滞納分は払っておきます…それからうちの子供はそんなに毛むくじゃらじゃ~有りませんよ?」
「エエエエ————ッ!本当ですか?それから…お名前は・・・確か?木村葵さんですよね?男の人だと聞いていたのですが?」
「アオイです。それでも…毛むくじゃらと言うのは間違いです・・・それでも失礼な話ですよね、何故「多毛症」だからといって、噂されなくてはいけないんですか?」
「本当に失礼な話ですよね。それでも…何かしら?事件性も感じられますので………?」
{じゃ~あの毛むくじゃらの”オオカミ怪人”と言うのは、全くのデマという事なのだろうか?それでも…あの夫婦からの依頼だから一応調べないと……それでもいかにも…迷惑そうな……何が有ると言うのか?}
◇◇◇◇◇◇◇◇
東京表参道にあるベンチャー企業〔BEST:アプリケーションの企画・開発・運営〕を展開するする若き起業家“田所社長は、アプリケーションの企画・開発・運営会社の社長なのに、何故畑違いの婚活パーティーを開催しなければならないのか?
それも到底人並みとは考えにくい、マッチングパーティー。
『それから…最近巷で評判の”オオカミ怪人”を探し当てたものには法外な賞品をプレゼントする。それでは期待して待っている』
こんなとんでもない封書を送るとは常識のない話だ。
赤の他人のそれも負の部分を強調したかのような『”オオカミ怪人”を探し当てたものには法外な賞品をプレゼントする』興味本位で探し出せなど、到底常識人では考えられない話だ。
事件に巻き込まれる可能性だってある。
また差別的な内容として訴えられる可能性だってある。
この田所社長は何かしら理由が有って”オオカミ怪人”を探さねばならない理由が有るに違いない。
本当に益々分らなくなって来た?
そう言えば仮面舞踏会の会場で、忽然と姿を消した招待客の女性達の失踪事件に何か関係しているのだろうか?
恐ろしい事件の幕開けなのか?
さらなる展開を見せる、この一連の事件は思いも寄らない方向に進んで行く事になる。
この事件の裏には何が有るのか?
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