Tightrope
好きな人とずっと一緒にいること
それがどれほど大変なことか、僕たちはよくわかってない
いちいち説明するのは面倒だから割愛するけど
結婚は社会保障制度だからできないと面倒なことになる
いちいち説明するのは面倒だけど“しない”と“できない”は違う
俺たちが一生一緒にいられる保証は、ない
でもゲイの友達がいようがいまいが
同性愛や差別に無知だろうが何だろうが
“好きな人同士が結婚できるのは普通だ”って
思わない?
好きな人とずっと一緒にいること
それがどれほど大変なことか、僕たちはよくわかってない
“女”とか、
”同性愛者”とか、
“外国人”とか、
“障害者”とか
”そう”じゃないから“そうじゃない”と言う
事実を淡々と述べてるだけ
でも俺だって、家系図で抹消されてるだけで
曾々々々々祖父が中国人かもしれないし、
最先端医療で細かく検査したら
実はインターセックスかもしれないし、
長い人生、再び女に恋をする可能性が
絶対にないだなんて誰にも言い切れない
そして、もしも、“もしもそうだったら”
俺は間違いなく“戸惑う”のだ
そして、もしも、“もしもそうじゃなかったら”
俺は絶対に“ホッとする”のだ
そう“みんな違ってみんないい”が
どこかに消し飛んでしまうのだ
そう、ゲイ“でも”いい
障害者、と紹介されて“一瞬怯む”
“やっぱり女の子は可愛いものが好き”
僕たちは、世界を“悪く”させている
“女”とか、
“同性愛者”とか、
“外国人”とか、
“障害者”とか
そう言わなければ伝わらないからそうしてるだけで
そんな単語で人間をカテゴライズするのが
変なことだってことだけが、伝わらない上に悪く伝わる
でもアイデンティティがはっきりしているのは
楽だし、便利だし、都合がいいし、
何よりも、“不安だけれど安心する”
そう、そうなんだ、そうなんだけど、
でも、もうちょっとどうにかならないのだろうか
俺はあなたの、仲のいい友達で
楽しくお喋りをして、ときには喧嘩をして
でもぶつかってわかり合って一緒にいたいと思う
そこに何かの“線”を引くのは
結局僕たちなのだ
好きな人とずっと一緒にいること
それがどれほど大変なことか、僕たちはよくわかってない
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