“加害者”の絶望

俺はあなたを絶望させる

今まで気づかなかったことを気づかせるから

自分が“加害者”だという自覚を

芽生えさせるから


俺がこの傷をさらけ出すと

あなたに“自分こそが負わせた”と悟らせる

それが嫌で、認めたくなくて、耐えられなくて

そして怒る


“それ”は意見じゃなく攻撃だ

それを説明すればするほど

あなたは“攻撃者”としての自分を見せつけられる


あなたが自由なのに俺が不自由なのは何故だ

あなたは自由かもしれないが俺は不自由だ

自由であることを謳うのであれば

フェアであることを追求しなければならないはずだ


AはBに寛容だ、といった場合

AはBより格上であることがわかる

権力関係がそこにあることがわかる

あなたと俺が対等でないことがわかる


俺はあなたの理屈のひとつひとつを反論できる

それを説明されることが苦痛でたまらない

それはこれまでの自分の考え方、人生、世界を

“間違っていた”とわかってしまうことだから


“人を困らせないことには自分が困ることになる”って

それ医療的措置が必要だよ

話を聞いてくれる人が


俺はあなたを絶望させる

今まで気づかなかったことを気づかせるから

自分が“加害者”だという自覚を

芽生えさせるから


俺がこの傷をさらけ出すと

あなたに“自分こそが負わせた”と悟らせる

それが嫌で、認めたくなくて、耐えられなくて

そして怒る


怒るのはどうすればいいかわからないからだ

まともに話ができるぐらいであれば

最初から世界が唯一ではないことを知っている

今の世界が絶対ではないことを理解している


あなたがトランス女性を差別するなら

あなたは女性差別を受け入れなければならない

ある差別を許容する事はあらゆる差別を許容すること

理由があれば差別をしてもいいのなら


これは差別ではない、区別だ

ただ身体的に、生物学的に、伝統的に

全部、女性を差別する男性の論理

“本来、反抗しないものだ”と思ってる相手に反抗されるのは

とても気分が悪くなることである

それが“加害者である”ということだ


あなたは悪くない

それが習慣なだけだ

だから気づいて

この呪いに


あなたが苦しんでいるように

俺も苦しんでいる

あなたが解放されたいように

俺も解放されたい


あなたは悪くない

あなたは悪くない


あなたに必要なものは責任の取り方の説明

それで伝わるかは、わからないけれど


でも“お前のしてきたことは間違っていたんだ”なんて言われたら

そりゃ普通は怒るわな

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