第35話 本当の平和
国王の話も終わり、次は勇者達の番となった、だからと言って国王の様な話もなく、淡々と話し、少し気まずい雰囲気になったが、国王のフォローで事なきを得た
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リムル「ルクスさん!皆!」タッタッタッ
話が終わり、勇者達も祝勝会にやっと参加することが出来るようになり、リムルは真っ先にルクスの所へ向かって来た
ルクス「これは勇者様、どういたしましたか?」
そんなリムルとは反対にルクスはリムルとは言わず、勇者様と呼んだ
リムル「ちょ!ルクスさん!」
その呼び方が嫌なのか、リムルが声を上げる
ルクス「...........」
今度はルクスは黙る、そして目線で周りを見るように伝える
リムル「!?」
気がついたら、周りには女性達が囲み、今か今かと此方を見ていた
ルクス「俺達の関係はもうアイリの事もないしバレてもいいが」ガタ
そう言うとルクスは立ち上がり、リムルの肩に手を置く
ルクス「生憎、俺にはもうアカギと言う愛する人がいるんでね、.........後は任せた」シュン
リムル「え?ちょ?まっ...........」
女性達「...................」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ..........
ルクスはこれから起こる出来事から逃げる為に魔法陣を展開し、その場から離れる
そして獲物(勇者)だけになったのを猛獣(彼氏いない歴=年齢の女性)達が見逃さないわけがなく
女性1「...........」クラウチングスタート
女性2「...........」パキポキペキ
女性3「...........」
リムル「あ.......あははは......」
なんで来たんだろう?と思いながら迫ってくる女性達を見てそう思った。
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アミ「どうしましょう?リムル様が他の女共に囲まれていますわ」ピキピキ
ミア「うーん、ポットでは許せないかなぁ」バキボキ
アイリ「..........」
彼女達は演説の後、リムルについて行ったのだが、リムルが何かに気づいて走って行ってしまい、それを追いかけようとすると周りに人が多すぎて見失ってしまったのだ
辛うじて見つけることが出来たのだが、何故か女性陣に囲まれており、色々な質問攻めにあっていた
アイリ「やっぱり、凄いなぁ勇者様って」
あの日、記憶を失ってから王国内で色々とお世話になった、(と言っても3日ぐらいだが)
アイリ(まぁそれは、私が剣聖だから、だよね?)
演説の時もあらかじめ台本を渡されそれを覚えて喋っただけであり、自分自身はその時の記憶がない、3年間の冒険も、何があったのか、どうやって行ったのか、なんで自分だけ置いていかれたのか(置いてかれていない)、家族は?兄弟は?何処で生まれて、何処で育ったのか
何も思い出せないのだ、でも体は何故か.........
ちら
ルクス「結局また食っているんかい!」
アカギ「ルクス......も......たべ......りゅ....?」
ルクス「.................」ボソボソ
アカギ「......../////////」ボヒュー
アイリ「..........」ズキッ
彼女の......いや、彼が彼女を見る度に胸が痛い、張り裂けそうになる
彼らは私を救ってくれた人達だ、初対面のはずなのに私を助けてくれた、.......何故か見覚えがあるけど
アイリ(何でだろう、何で私はあそこにいないのだろう?なんで?なんで?なんで?)
アイリ(.......って、何考えているのよ!私は、あの人達とは何の接点もないのよ!)ブンブン
そう言い聞かせて頭を振る
こんなこと、今日が初めてだ、........3日目だけど
そう思いながら、また彼女は彼をルクスを見つめる、叶わぬ恋だと知らないまま
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リムル「ルークースーさーん!」ダダダッ
ルクス「ん?」
リムル「とう!」バッ
ルクス「アベシ!」ボギッ
リムルはどうにかして逃げ切ったのだろう、その勢いのまま、ルクスの背中に抱きつく、そのせいでルクスの背骨がやばい音を立ててルクスは吹っ飛ばされる
アカギ「ルクスー!!!」ダダダッ
慌ててアカギが駆け寄る、どうやら気を失っているおかげでまだ大丈夫なようだ
アカギ「ヒーリング」
ルクスの背中を回復させる、大した事はなかったのか、すぐに回復してルクスは目を覚ます
ルクス「........川の向こうで狐の服を着た2頭身の変な女性が見えた」
アカギ「.........それ......は......気に......なる」
一体どんな者なのだろうと気になるがそれよりもまず
アカギ「.........兄.........さん........?」ユラァ
リムル「.........!?」ビクッ
なんであんな事をしたのかをしっかりと聞かないとねぇ?
アカギ「.....いつ死にたい?(なん....で.....あんな事......をした.....の?)」
リムル「建前と本音が逆になってますけど!?」
愛する実の妹に辛辣な言葉を言われて半泣きになっているリムル、その姿に引きながら説教を始めるアカギ
そんな姿をアマギとルクスは眺めていた
アマギ「相変わらず、リムルは大変だねぇ」
事あるごとに災難な目に遭うリムル(ルクス達の所為でもあるが)
ルクス「.........生まれた星が悪かったですね」目逸らし
そうやってルクスが目を逸らすと
ルクス「ん?」
アイリ「!?」ぷい
ルクス「...........まさかな」
多分、勇者の事を見ていたのだろう、そうでなければ困る
アイリ「....................」ジー
ルクス(まぁ、この視線も今日だけだろう、取り敢えず我慢しよう)
そう思って、ルクスは彼女の事を気にしないフリをし続けた
アマギ(.......記憶は消しても、体は覚えているって事なのかしら?)
アマギもアイリの存在には気づいていて、彼女の動きを見ていた
アマギ(明らかにルクスの事を見ている、記憶はなくとも、ルクスが好きだったと言う感情とかは体が覚えている、だけど記憶にはない...........今のところは安全だけど、もしもの時は............)
やっと掴んだ平和なのだ、彼のためにも、家族のためにも、念には念を押して、色々と準備はしておこう。
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そんなこんながあって祝勝会は終わり、ルクス達は自分達の家へと帰宅していた
~ルクス.アカギの部屋~
アカギ「ああ......疲れ......た」ボブ
そう言って布団にダイブするアカギ、それを見て微笑ましく思いながら、ルクスはアカギの頭を撫でる
ルクス「お疲れ様......色々とな」
アカギ「.......うん」
2人が出会ってから約3年、目まぐるしい程色々なことがあった
特にこの数日間は、特に大変だった
ルクス(魔王軍との戦いに、アイリとの決着)
アカギ(あの時は永遠に感じたわね)
でもそれももう終わった、やっと終わったのだ。
アカギ「ルクス」
ルクス「ん?」
アカギはルクスの名を呼ぶとそのまま抱きついた
アカギ「.......大好き、世界で....1番....愛してる」
ルクス「俺も、誰よりもどんな人よりもお前を愛しているよ」
そう言って2人は口づけを交わした
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続く
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