第30話 アイリ VS ルクス.アカギ
アイリ「待っててルクス、すぐに終わるから」
そう言うとアイリはゆっくりと剣を構える
アカギ「ルク.....ス.....」
すると横にいたアカギが前に出る
ルクス「アカギ?」
アカギ「私......が.....戦う....!」
そう言うと、異次元から魔法の杖を出す。
アイリ「あら?泥棒猫が最初に死にたいの?」
それを見て嘲笑うかのようにアカギを見る
アイリ「たった1人で私に勝てるとでも?」
そう相手は剣聖、勇者には劣るだろうが剣の道に関して言えば勇者とも互角に戦えるだろう相性としても、ただの剣士なら圧倒的に魔法使いが有利だ、しかし相手が剣豪や剣姫クラスになれば魔法の攻撃など容易く躱せるし、寧ろ呪文や魔法を放つ僅かな隙を突かれてやられる
(もちろん魔法使いの中でも上位クラスなら更に対策はあると思うが)
ルクス「いーや、2人だ」
そう言ってルクスはアカギの頭に手を置く
アカギ「ルクス......なん.....で?」
ルクス「何でって、寧ろ何で俺が戦わないと思ったんだ?」
アカギはルクスの手をどかし話す
アカギ「だって......ルクス......怖いって......言ってた.....から.....」
ルクス「だから、1人で戦うと」
アカギ「うん..........」
そう聞くとルクスは、はあ とため息を吐くと
アカギの頭を今度は撫でる
アカギ「ふにゅ!」
ルクス「心配するな、覚悟は出来てるって言ったろ?大丈夫さ、俺は死なないし、お前も死なせない」
アカギ「........ずる......い」
そう言ってアカギは不貞腐れる、それを見てルクスは笑いながら
ルクス「それでも好きなんだろ?」
アカギ「...........うん」
アカギは顔を赤くしながら頷く、その姿を微笑ましく見たルクスはアカギの頭から手をどかし、魔法の杖を出す。
ルクス「そう言うことだ、アイリ、すまないがこっちは2人で行かせてもらうぜ」
ルクスがそう言うと、アカギとルクスは構える
その姿を見て更に苛立つアイリ、剣をプルプル振るわせ、2人を睨みつける。
アイリ「ルークースー!!!!何で貴方がそこの泥棒猫と一緒にいるのよ!」
アイリが叫び、剣を振るわせる、目付きも鋭くなり、息遣いも荒くなる
ルクス「すまないな、俺はアカギを死なせたくないんだ、......だから俺は隣に立つんだ」
アイリ「訳がわからない!貴方は騙せれてるのよ!私が貴方の婚約者なのよ!」
ルクス「違う、お前との婚約はもうなくなった、この斬られた左腕と共にな」
そう言って左腕を見せる、アカギによって再生しているのが、ルクスにとっては斬られた事実は変わらない。
ルクス「お前のせいで、俺の腕はなくなった、時折、俺の腕は元に戻っているのに疼くんだ、斬られた違和感が俺を襲うんだ。」
アイリのせいでルクスは1時(いっとき)だったが、左腕がない生活を送ってきた、その時はない腕から痛みが出る(今で言う幻肢痛(げんしつう))事があったが、再生してからは斬られた所に痛みが出ていた。
それが、アイリとの決別の意味なら良かった、しかし今は目の前に相対している
ルクス「お前に負けるわけにはいかない、一緒になんていかない、俺はお前に勝って自由を手に入れる、そして」
ルクスはアカギを見てアカギは頷く
ルクス.アカギ「「平和な日常を過ごす、隣にいる、愛する人と共に!」」
アイリ「...................」
何か言ってくるのかと思ったが、今度は黙っている、逆に不気味だ
アイリ「..............ソニックブーム」
ルクス.アカギ「!?」バッ
もの凄い殺気と共に斬撃が飛んでくる、2人は抱き合いながら躱す
ルクス「なんだ.....いきなり......」
アイリ「............返して」
アカギ「.......え?」
アイリの目が漆黒の色に染まり、また叫び始める
アイリ「本当のルクスを返してよ!ルクスはそんな事を言わない!お前は!お前はルクスじゃない!本物のルクスなら私の言う事を聞くもん!本物のルクスは!どこにいるの!」
ルクス「今度は偽物扱いか、一体どうなってやがる」
アカギ「多.....分.....自分.....の....知って.....いる.....もしく.....は......想像.......の.....ルクス......じゃ.....ない....から.....」
ルクス「偽物......と」
アカギ「......うん」
アカギの説明でルクスは納得する
ルクス「成る程、今のアイリは記憶こそ覚えているが、俺との関係は村での俺、つまり村人に虐められて、アイリにサンドバッグにされていた、言いなり人形の頃の俺って事か」
言ってて自分で泣きそうになっているがなんとか堪える
つまり今の彼女が見ているのはあの頃のルクスという事になる
ルクス「そりゃあ、あの時から3年以上も経っているんだ、変わったと思われても仕方ない.....の.....かな?」
アカギ「う....ん、あの.....頃....よりも.....かっこよ.....く.....なた..」
照れることもなく、平然と言うアカギ、そして
アカギ「ファイヤIII」ボン!
アイリ「.......」キン
アカギが放った魔法を剣で弾く
アイリ「何する気?偽物の恋人が、本物じゃなくて、騙されて悔しいのかしら?」
そう言って、"偽物!本物は何処だ!"と叫ぶアイリ、しかしアカギは深呼吸をし、アイリを見て言う
アカギ「........ルクスはルクス、」
ルクス「!?」
アカギ「貴方の...ような.人に私の...大切な人は渡さない」
いつもよりもはっきりと喋るアカギ、それ程覚悟があるのだろう
アイリ「.......もう良いわ」
溜息を吐くと、目つきが鋭くなる
アイリ「私は本物を探さなくちゃいけないけど、私の愛する人の振りをするそこの塵とその塵をルクスと呼ぶ雌ガキ」
アイリ「後は私を騙した勇者とついでにその隣にいる貴女も殺しとくわ」
どうやら彼女の頭の中では既にここにいるルクスは偽物と決まったらしい。
ルクス「殺すつもりはないが、殺す気でいかないとまずいな、これ」
ルクスは冷や汗をかきながら、リムル達の方に向く
ルクス「...................」
リムル「...................」コク
ルクス「行くぞ!アカギ!」
アカギ「うん!ルクス!」
アイリ「とっとと殺して楽にしてあげる!」
アイリがそう言うと一瞬で間合いを詰める
アイリ「死ね!」ブン
そう言うと同時に斬撃が2人を襲う
アイリ「何!?」
しかし、そこにあったのは残像で空振りする
ルクス「相変わらず単調だな!」ガン
アイリ「く!?」ドカ
後ろから声が聞こえて振り返る寸前で蹴り飛ばす、ただの蹴りならそこまでダメージはないが、既に強化魔法を付与しているため、そこそこダメージは入.......
アイリ「舐めるな!」ダンッ
るわけもなく、飛ばされた反動を使ってこちらに接近する
アイリ「グゥ!?」ドン!!
しかしアイリの動きが一瞬で止まる
アカギ「グラビディⅣ!!!」
アイリ「クゥッ......はあ!」ダン!
アカギ「何!?」
跳躍し、魔法の範囲外まで逃げる
ルクス「サンダーIII!!!」
そこをすかさず、ルクスが電撃で襲う
アイリ「くぅ」ガキィン
それを剣で弾き、地面に着地する
リムル「.............」
アマギ「.............」
——————————————————————
続く
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