第10話 リムルside 望まない力

僕の名前はリムル、単刀直入に言おう僕には友達がいない、コミュニケーションがダメだから?違う、この呪われた眼だ。


"魅惑の眼"僕のこれは天性のもので、代々僕の家系は魔法の才能があり、何かしらの特技を持って生まれるそうだが、僕は違った。


僕は剣の才能があったんだ、その事を知るのはもう少し後だけど、そして僕は絶望したんだ、この呪われた眼を


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~数年前~


リムル(幼少期)「...........」スタスタ


A「待ちな」


リムルが歩いていると、何人かの男の子達が集まり、リムルの周囲を囲んだ


リムル「...............」


B「何でこうなってるか、わかってるよな?」


リムル「..........」


C「テメー、よくも俺たちの彼女に手を出したなぁ、...覚悟はいいか?」


そう言ってリムルに手を出そうとすると


A(元カノ)「あんた達!何やってるの!?」


B(元カノ)「私達を正気に戻すとか言って勝手に言ったと思ったら.....」


C(元カノ)「こんな最低な事をしてたんだね、別れて正解だったわ」


そう言って、魔法で彼らを弾き飛ばし、リムルを守るように囲んで守る


リムル(ああ、またか)


この光景は何度目だろうか?


彼らは悪くない、むしろ被害者だ、だけど僕にはどうにもできない


僕のこの力は異性に対して無条件で僕に好意を寄せるようになる、それが彼氏持ちの彼女でさえ、夫を持つ女性も例外ではなく、


A「なんでだよ.......なんで俺をそんな目で見るんだ?俺たちのあんなに愛し合っていたじゃないか!?」


B「そうだよ!なのに最近全然話してくれないし、一体どうしたんだよ!?」


C「なぁ、お願いだから、目を覚ましてくれ....!!」


そう言って叫びながら此方に近寄ってくる、僕は...僕には....何も出来ない


A(元カノ)「何言ってんのよ?私達は自分の意志でこうしているの、貴方達のように負けたからって腹いせに虐めてくる最低な奴に誰が行くもんですか」


B(元カノ)「恨むんでしたら、リムル君より劣っている自分を恨むことね」


C(元カノ)「それじゃあ、さようなら」


そう言って彼女達は僕を連れてどこかに行く


僕は後ろを振り返ると


A「...................!!!!!」


B「..........っっっっ!」


C「...........」


3人は此方を睨みつけながら、涙を流していた


リムル「...........っ!」くる


こんな事はもう慣れている


僕の魅了の眼はすぐに効果が出るわけではない少しずつ、まるで砂時計のように少しずつ好意を相手から自分に変えるのだ。


つまり、元々好意が少なければすぐにこっちに靡き、熟年夫婦や幼馴染みのように長い間ずっと想いあっていた者達は、最初はなんとも思わないが


目に入る~気になる~少し好きになる~仲良くなる~好きになる


と時間が経つに連れて好意が此方に向くのでタチが悪い、そのせいで修復不可能な程家庭を崩壊したところもある。


僕の家庭がいい例だ


僕の母は生まれた頃に死んで、父は義理の姉アマギと共に新しい母を連れてきた


妹と義姉には何故か魅了の眼が効かず、その2人だけとは仲が良かったが、問題は義母だ


義母はあからさまに父と比べて僕に対して新妻のような事をしていた、朝起こすのも最初に僕、次に夫、食事や洗濯も一番最初に僕のをやり、.........風呂も一緒に入った、父とはレスらしくそれの捌け口という理由の元、父の寝ている隣で僕の初めては奪われた。


そんな事をしているもんだから、父は日に日に僕に対して敵意を憎悪を向け、暴力を振り始めた、義母はそれを止め僕を庇い続けるため父は更に怒りその暴力は義母にも振るう事になった。


それからの義母の行動は早かった、証拠を集め、自分が有利に事が進むように仕向け、離婚になった時に言い逃れが出来ないほどの証拠を元に離婚した。


その後父がストーカーする可能性があるため、義姉、妹と共に夜逃げした。


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~王都 オワイコット~


それから僕達は王都に行き、そこで暮らし始めた、最初は4人で暮らしていたが、義姉が魔法使いになってからは


義姉(アマギ)「リムルのそれをなんとかする!」


という事で、1人で暮らし始め3人に


そして...........


義母「.......不甲斐ない.....お母さんで...........ごめんなさい」


今までの疲れが溜まり、過労で死んだ


それからは僕と妹のアカギと2人暮らしになった


生活には当分は困らなかった、義母が残した遺産でなんとか食い繋ぎ、その間に義姉によって魅惑の眼を封じるコンタクトを作ってもらい、僕の呪いは終わった。


その後僕はギルドに入り冒険者となった、ソロで活動しているため稼ぎはそこそこだが、2人で暮らしていく分には申し分なかった。


ただ、問題を挙げるとすれば妹であるアカギの事だ


アカギは生まれ持って魔法の才能があり、それ故に僕とは違った形で疎まれていた、その為妹は人間不信になり、自主的に外に出る事がほとんどない。


王都に住み始めても1人で行く事はなく、必ず僕もついて行っていた、そんな状況をなんとかしたいと考えていると、ある日義姉から連絡が届いた、どうやら弟子が出来たようで、僕の話をしたら是非会いたいとの事だ。


最初は疑ったが、妹も義姉が了承する相手が気になり行ってみたいとの事で行くことになり2人で向かった、そしてそれが僕の初めての友達、ルクスとの出会いだったんだ。


どうやらルクスは村から出た時に襲われた魔物を義姉が倒したことによって助かったらしく、その姿を見て憧れて弟子入りしたようだ。


更に驚くことに彼は剣聖の子孫が住む村の出身で、剣の才能がなく、代わりに魔法の才能があるらしいのだ、まるで僕とは逆のような感じだった。


そして1番驚いたのは、今までなら他人がいたら僕の後ろにいた妹が積極的にルクスと話していたことだ、妹はどうやら義姉の弟子が住んでいる村に興味があるらしく、上手く喋れていないが、懸命に聞き、ルクスもそんな妹を見て微笑みながら優しく答えていた


それからもこうした事が定期的に続き、ある日僕は勇者に選ばれた、どうやら魔王が復活するらしく、それを倒すために僕は選ばれたらしい。


ルクスの村から誰か出たか聞いてみたが、誰もなっていないらしい。


神父に聞いてみたところ、まだ何もわからないらしく、今年素質を持った者がいなかったから1人だけの可能性もあるらしい。


勇者となってからは勇者として力を上げるべく騎士団と共に出かける事が増えて、妹達と一緒にいる事が減った、しかし偶に帰ってきた時はルクスが来る日に合わせて行き様々な事を話した。


魔道具の水晶によっていつ来るかはわかっているので、その日に合わせて休みを取り会いに行く、これが日課となった


そんなある日、ルクスの体に痣がある事に気づいた、それをみた僕は服を脱いで見せて欲しいと言い、初めは断っていたが、義姉や妹に言われて仕方なく脱ぐと、とてもじゃないが転んで怪我したとか言えないほどの痣があった。


服を着れば見えないところを重点的にやり、見るに耐えない惨たらしい身体となっていた。


それを見て誰がやったのか聞いてみると、とても驚きの事を言い始めた、それは自分の幼馴染みで婚約者のアイリのせいらしいのだ。


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続く

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