婚約者を勇者に奪われたが別にどうでもいい
みっちゃん
プロローグ
第1話 故郷での出来事
ここは、ヤーヴァイ村、俺はここで育った。
この村は、のどかな村で、自然の中で暮らしていると言われてもなんら不思議ではないほどの田舎だ。
そんな村で俺は暮らしている。
???「おーいルクスー!」
ルクス「ああ、アイリかおはよう」
こいつはアイリ、俺の幼馴染みで婚約者だ。
俺の両親とアイリの両親は仲が良く、もし生まれた子供が男女だったら結婚させようと決めていて、俺は小さい頃から彼女の婚約者だった。
アイリ「ねぇねぇ、早く行こ!あたしずっと待ってたんだから!」グイグイ
ルクス「わかった、わかったから、引っ張らないでくれ!」
今日は職業の儀が行われる日だ
職業の儀とは、年に一度、16歳になった若者が自分の天性の職業が神の神託でわかるようになるのだ。
今年は俺とアイリも16歳となり、今日アイリにとって待ちに待った日なのだ。
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~村の教会~
ルクス「結構いるなぁ」
とは言ったものの、この村にそこまで若者がいるわけがなく、せいぜい20人程度だ、それでも他の村と比べたら多いが
アイリ「まだかなぁ、まだかなぁ」きらきら
目をきらきら輝かせながらまだかまだかと待ち侘びるアイリ
ルクス「まだ、神官様も来てないんだ、もうちょっと待とうよ」
このまま無視すると暴走する恐れがあるので釘を刺しておく。
アイリ「ぶー.........それならさルクス、今"付き合ってよ"」
ルクス「.................本当に?」
アイリ「あ.....やっぱりいい!」
ルクス「........そう」
アイリ「...........チッ」
ルクス「................」
そうこうしているうちに神父がやって来て、一人一人に神託を下していた
ある者は戦士に、ある者は剣士に、またある者は剣闘士に、
ルクス(...................)
そうしてアイリの出番となり、神父から神のお告げが来る
アイリ「...................」
神父「...............!?」
突然神父の目が見開いて、驚愕する、そして冷や汗をかきながら叫ぶ
神父「なんと........なんと.......”剣聖”だとな!?」
ザワザワざわざわ
剣聖、かつて世界に魔王の魔の手が迫りしときに、4人の人間が立ち向かい、世界を救ったと言う
勇者
剣聖
聖女
賢者
この職業に選ばれしものは、類稀なる逸材を持っており、剣を極める者達の頂点に立つ。
そして、その職業が現れたとなると
ルクス「魔王が誕生したと言うことか」
魔王
魔物、魔獣、魔人、魔族、全ての魔の付く種族を束ねる、人間で言うところの連邦国のリーダー的存在、そのカリスマ性から、数多の魔を操り人間と戦って来た。
魔王と勇者は表裏一体、つまり、この世界の何処かで、勇者、聖女、賢者も現れたと言うことだ。
神父「おほん、とりあえずまだ1人神託を受けていない者がいる、それが終わり次第すぐに連絡をせねば.......!!」
そうして最後になったルクスが神託を受ける
神父「.........え?」
神父が別の意味で驚愕する
神父「君の職業は...........」
神父「............魔法使いだ」
アイリ「え?」
ルクス「...................」
神父「君の職業は魔法使いだ」
魔法使い、文字通り魔法を使いし者
魔法にも様々な分野があり、とても奥が深い職業だ、しかし
アイリ「なんで.......なんで.........」
アイリ「なんで"魔法使い"なのよ!」
この村は遥か昔、魔王を倒した剣聖が、この村を作り、そしてここで生まれた者は皆剣に関わる職業になっていた..........
なっていたのだ。
ルクス「..............」
神父「うーむ、これはこれで異例だな、しかし今はそんなことどうでも良い」
確かに魔法使いがこの村から現れたのは衝撃のことだが、それ以前に
神父「アイリ!」
アイリ「は.......はい!」
急に叫び声が裏返りながら返事をする
神父「そなたは今後王国に行き、勇者とその仲間と共に魔王討伐の旅に出る。」
アイリ「..........は?」
神父「よって、この村とは今日をもって離れるぞ。」
アイリ「..........え?」
神父は浮かれているのか、全く話を聞く様子ではなく、また他の者達も、彼女が......いや、この村で選ばれたのが嬉しいのだろう、先ほどから賑わっている
アイリ「ちょっと!待ってくださいよ!」
神父「?.....どうかしましたか?」
キョトンとした顔で聞いてくる。
アリア「どうかしましたか?ではないです!」
そう言って深呼吸して話す
アリア「剣聖に選ばれ、魔王を倒しに行く......それはいいんです。」
しかしと間を置いて
アリア「今日いきなり行くのはおかしいです、せめて、家族や師匠、仲間達にちゃんと別れの挨拶をさせてください」
そう言って頭を下げる、彼女の言っていることはごもっともだ、そんないきなり連れて行かれるなんて、間違っている
そう思ったのか神父は、落ち着いた顔になりながら、こほんと言い
神父「そうですね、それが正しいです、すいません、まさかこの村から剣聖が現れたのはまさに奇跡でしたからつい」
アリア「その気持ちはわかりますが、次からは気をつけてくださいね」
そう言って、この場は一旦静まり返す
神父「では、王国にこの事を言いに行きます、多分1週間後にはまた来ると思いますので、それまでに荷物の準備と、別れの挨拶を済ましてください。」
そう言って神父はこの場から去る
そして彼女は他の者達に囲まれた
「凄えなアリア!」
「おめでとうアリア!」
「アリアー!」
わいわいガヤガヤ
村の人達はアリアの事でいっぱいで、
ルクス「..............」
彼が魔法使いになった事など、誰も覚えていなかった。
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ルクスの家
ルクス「ただいま」ガチャ
ルクス父「おー、おかえり、どうだった?」
ルクス「ああ、実は、アイリが、」
ルクス父「?.........アイリがどうしたんだ?」
ルクス「.........剣聖になった」
ルクス父「何!?」
ルクス母「!?」ガチャン!
台所にいた母が皿を落とす、それ程までにこのことは重大なのだ。
ルクス父「......そうか」
そう言って話を変えて
ルクス父「お前はどうなんだ?何になったんだ?」
ルクス「..........魔法使い」
ルクス父「何ぃ!!??」
ルクス母「!?」ガチャン
またしても母は皿を落とし、父はさらに驚く
ルクス父「.........それは本当か?」
落ち着いた口調で話す
ルクス「ああ、神父さんからも言われて、珍しいって言われた」
ルクス父「珍しいですましてはならないのだがな」
ルクス母「ええ、これは一大事よ」スタスタ
そう言って、母は片付けが終わり、ルクス達のところに行く。
ルクス父「まさか、不思議なことが同時に二つも起きるなんてなぁ」
ルクス母「本当ね......こんなこと本当にあるのかしら?」
あるから今起きているのだろう、この前例のない問題が今後どうなって行くかはわからないが、 今はとりあえず
ルクス父「さあ、まずはお祝いだ!」
ルクス母「ええ!さあ食べましょう」
そう言って、職業祝いを始め、とりあえず、剣聖のことは後回しにした。
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第2作品目記念すべき1話です、皆さん是非よろしくお願いします。
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