現色幻色

青と白

レースのカーテンをふくらませ

わたしの髪をなでた風は

本のページにチラチラと影を落とし

涼しい顔をして去っていった

と思うや再び髪をなでる


本を閉じて

しばらくは風の吹くまま


風が思考回路を吹き抜けるころ

わたしは明るい海辺にたどり着く


青い海は命の始まり

白い砂はサンゴの死骸

青と白のコントラストは

わたしを無心にさせ

時を止める


風が運ぶもの

風に運ばれるもの

それは

わたしの意志なのか

風の意志なのか

わからぬまま

風に身をまかせる


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817330659680945911

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