青なる星

半世紀前の異国は

幻の国と同じくらいに遠い


モノクロームの裏通りの娼館の

なかでも歯並びの美しい女が

横たわるきぬの色は

黄丹おうに、紫、緋…

禁色きんじきのようにみやび


人のさがの海原で

揺蕩たゆたう五色の綾布の

波に翻弄される様を想う



鉱物の山に貼りついた

禁欲の白い僧房には

孤独を照らす闇がある


空へと続く山並みの

不動の景色を眺める日々を

小石を積むように積み重ねると

見えてくるものがあるのだろうか


那由多なゆた輝く星々の

さやかな光を眺めていると

俗世を離れた寂しみを

少しは昇華してくれるのだろうか


ここは地球


青 清 静 聖 性 生 


せいなる星


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817330650711364369

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る