サクラの本
熊猫 カカオ
4月5日
今日は彼女と会った最後の日。
あの1本の桜しかない公園で、それでもその桜は満開を迎えていてとても華やかな雰囲気だった。
今年もまた僕は、彼女の事を思い出して、その公園に来てしまった。
公園の真ん中にポツンと桜があって、今年も満開に花を咲かせていた。そして、その近くにベンチが1つ置いてあった。
この5年間毎年来ているが、何も変わっていなかった。
「明日から新学期だね。」
彼女は桜の方だけを見ながら呟き程度にそう言った。残念そうに言う彼女になんて返せばいいか分からず。
「そうだね。」
と、端的に答えてしまった。
その後は沈黙が続き、そよ風に揺られて桜の木だけが騒いでいた。
そして、その日を最後に彼女とは会っていない。
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