【R-15】たこパwith彼氏⑤恋人同士のえっち

 金田の手が杏梨に触れた。


 杏梨はもう声を押さえられなかった。


 お酒が入っている上に、かなり時間をかけて大好きな金田に触ってもらった。


 幸福感に杏梨の身体はかなり敏感になっていた。


 金田の身体が杏梨に触れるだけで、びりびりと快感が走る。


 声を押さえるとか、どう思われるとかもう何も考えられなかった。





 刺激を弱められ落ち着くとまた激しく刺激され、そんな時間がどれくらい過ぎただろうか。


 杏梨はもう限界だった。


 涙目で懇願する。

「もう無理です……」


 金田の息も荒かった。ずっとするのは疲れるだろう。


「そうか、じゃあ寝ようか」

 杏梨の横に移動し、杏梨の頭にキスをして、そのまま横になって目を閉じる。


 えっ?寝る?えっちはしないの?


「えっ、金田さんえっちしないんですか?」

 閉じていた目を金田が開けた。


「無理なんだろ?無理しなくていいよ」

「私がいった無理ってそういうことじゃなくて……」


「あ?」

「もう、して欲しい……ってこと、だったんですけど……」

 金田は杏梨の顔をじっとみた。


「俺に気を遣って無理してないか?」

「してないです」


「だってへろへろだっただろ?」

 金田は不思議そうだ。杏梨の言葉が信じられないらしい。


 はっきり言わないとわかってもらえなさそうだ。

「わたしっ……、金田さんと一緒に気持ち良くなりたいんです。恋人同士のえっちってそういうものでしょ?どれだけ待たせるんですか?」


 金田はぽかんとしていたが、不意に立ち上がり部屋を出ていった。



 いっ…ちゃった。引かれた?

 杏梨の心がさーっと冷たくなっていく。


 言わなきゃよかった。あんなにしてくれたの初めてだったのに……

 ぐるぐると後悔が波が押し寄せてくる。


「お待たせ」

 杏梨が顔をあげるとコンドームを手に持った金田が立っていた。




 準備の整った金田はベットの上に上がってくる。

「どんな風にしたい?」

「えっ、金田さんのいいようにしてください」


 金田はいつも正常位しかしない。こんなことを聞かれたこともない。


「今日は杏梨ちゃんの好きな風にしよう?」


 えええ…金田のセクハラ発言に驚く。


 杏梨が答えを言えずに言うと、金田の顔が迫ってきた。


「早く言わないと、聞いてあげないよ?」

 少し面白そうにしている。


「……前からぎゅっとしながら、……がいいです」


 杏梨は金田の顔を見たかった。


「かしこまりました」

 金田の口角が上がったのが見えた。



 会話はなく、ただ、ただ、2人で気持ち良くなった。

 2人で同時に一番の快感に身を委ねたとき、お互いにぎゅっと抱き締め合っていた。



 その後は2人で眠った。とてもとても気持ちが良い眠りだった。



 杏梨が目を覚ますともう翌日の朝だった。

 金田が身支度をしている。


「あっ金田さん……」

「杏梨?ごめん起こしちゃった?」


「いえ……帰るんですか?」

「うん、ごめんな。仕事。じゃあな」


 服を着て出ていこうとする金田に声をかける。


「金田さん、あの、私嬉しかったです。金田さん大好きです!」


 それを聞いて、金田はぽんっと杏梨の頭に手を置いた。


「そっか、まぁでも寂しくなったらそうたくんにしてもらえな」


 面白いやつだよな~。鍵しとけよ~。

 と言って金田は去っていった。


 なーなーなー……。

 ………負けた。

 杏梨はしょんぼりと項垂れた。


【たこパ 杏梨vs金田戦】

 ①美味しいと言ってもらう

 →金田が作って、杏梨が言った。


 ②好きと言ってもらう

 →杏梨が言った


 ③いつもよりいちゃいちゃする

 →達成したが、突き放された


 勝者:金田














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