【GM用】シナリオ
【オープニングフェイズ】
・シーン1:平穏 PC①
PC①が結菜と共にショッピングモールに来ているシーン。
今日は結菜が好きなキャラクターの商品の発売日らしく、あなたは一緒にお店に並んで欲しいと結菜に頼まれたのであった。
しかし開店10分前頃から結菜がもじもじしだす。どうやらトイレに行きたいらしい。
結菜「お兄ちゃん/お姉ちゃん、おしっこ。」
(お兄ちゃんはおしっこじゃありません。などのやり取りがあると微笑ましいですね。)
今列を離れると、並びなおしになってしまい商品が買えないかもしれないため、あなたは結菜をひとりでトイレに行かせることになる。
商品を買うことはできたが、あれから15分経っても、20分経っても結菜は帰ってこない。
(PLに自発的に探させるのが望ましい。)
最終的には店員が防犯カメラを使って探してくれる。
すると結菜がトイレを出たところで女性に話しかけられ、そのままついていく姿が映っていた。
そこであなたはUGNの偉い人(霧谷雄吾)が、最近幼い子どもを狙ったFHの誘拐事件が多発しているから注意するようにイリーガルに伝達していたことを思い出す。
PC①が自発的にUGNに助けを求めたところでシーンをカットする。
このシーンではPC①が自発的に動かないとシーンが進まないため、説明口調にならない範囲でどんどん動いてもらいたい方向にPCを誘導してすることが望ましい。
・シーン2:任務 PC②
あなたの端末に霧谷雄吾から緊急連絡が入る。
霧谷「お久しぶりです。PC②さん。」
霧谷「早速ですが、緊急事態です。我々UGNに協力してくれているイリーガルの妹さんが、あなたが追っているナイト オブ マグダラと思われるエージェントに誘拐されました。」
霧谷「これは我々にとってピンチであり、チャンスです。イリーガルの家族を危険にさらしたことはUGNの信用に関わります。しかし、うまくいけば長年アジトが分からないマグダラのアジトを暴くことができるかもしれません。」
霧谷「さらにうまくいけば、マグダラの庭に潜入したまま連絡が取れなくなっているPC③さんと合流できるかもしれません。」
霧谷「PC②さん、急いでPC①さんと合流して、ナイト オブ マグダラを追跡してください。」
PC②が了承した時点でシーンをカットする。
・シーン3:忍耐 PC③
あなたがこの庭に来たのは日本支部の霧谷雄吾からナイト オブ マグダラというFHエージェントの調査を頼まれたからだ。しかし、庭に忍び込むのと同時に通信機は使えなくなり、脱出手段もなくなってしまった。
今日も庭でマグダラと鉢合わせないようにしていると、ここで知り合った少年の舜がやってきた。
瞬「ねぇ、PC③。またかくれんぼ?」
瞬「でもご飯は食べないと、隠れていられなくなっちゃうよ。」
そう言うと瞬は庭から持ち出してきた食料をどさどさっと、PC③の前に置く。
瞬「PC③はまだ聖母(ママ)のこと怖いの?」
瞬「聖母(ママ)ってすごいんだよ。掃除に洗濯、処刑に粛清何でもできちゃうんだもん。」
これもママが焼いたのといって、食料の中からとりわけ大きなパンを瞬は持ち上げる。その時遠くから鐘の音が響いた。PC③がいるのとは庭の反対側にある巨大な扉が砂のように崩れてなくなり、背の高い女性が入ってきた。
瞬「あっ!聖母(ママ)だ!ママーー!」
瞬は途端に駆け出して行ってしまった。その時には開いていた空間は再び砂が集まるような形でふさがっていた。マグダラはぐったりしている女の子を抱えていた。こうやってこの庭の子どもは増えてきたのだ。瞬は赤ん坊のころに来たそうだから、外での記憶はない。
その時先ほど閉じた壁に亀裂が入る。
響く地響きをPC③が感じたところでシーンをカットする。
・シーン4:観察 マスター
暗い部屋。ひとりの反逆の聖人(イスカリオテ)がモニターを見ていた。
コードウェル「何色にも染まっていないレネゲイドの種を、庭に植え育て収穫する。」
コードウェル「マグダラの考えは解るが、問題は出来のいい果実が実るか。」
コードウェル「私の手駒足りうるかもう少しだけ、観察させてもらおう。」
彼が笑うともなく微笑したところでシーンをカットする。
【ミドルフェイズ】
・シーン5:決戦 PC①
PCは全員登場。場所はマグダラの庭。
あなたはPC②の協力を得て、マグダラの追跡に成功した。さらにこの庭のどこかにはPC③という協力者がいることが分かっている。
マグダラ「あら、お客様?でも残念ここは入ったら最後、UGNのままでは出られないワタシの庭。全ての子はワタシの子。ワタシが愛してあげましょう。瞬、みんなを連れて先にお家に帰ってなさい。」
瞬「うん、わかった。聖母(ママ)。」
そう言うと瞬は他の子どもを連れてシーン外に退場してしまう。
マグダラ「さぁ、悪い子はママが躾けてあげるわ。2人……いえ3人かしら。どこからでもかかってきなさい。」
ミドル戦闘
敵はナイト オブ マグダラ1体。勝利条件は敵の戦闘不能。PCとの距離はマグダラを中心にして10mで、PC①とPC②は同エンゲージに存在している。PC③はマグダラから10mの距離の任意の場所に単独エンゲージで存在するものとする。
マグダラ「あら、その程度かしら。」(被弾小)
マグダラ「っ、舐められたらおしまい!!」(被弾大)
マグダラ「ワタシは、まだ一本しか使ってないわ、大丈夫、まだワタシが守れる。」(敗北)
マグダラ「あらあら、困ったわ。UGNの皆さん思ったよりもお強いじゃないの。仕方ないわ、この庭はあげます。でもこの子は(結菜を掴む)一緒に連れて行くわ。ワタシの新しい子どもたちの長女になるんだもの。」
マグダラは《瞬間退場》《瞬間退場Ⅱ》を使用して、結菜と共に退場する。静寂が訪れる。
瞬「聖母(ママ)~。聖母(ママ)~。ご飯の用意ができたよ~。」
瞬「あれ?聖母(ママ)は?聖母(ママ)は?…………ふぇ~~~~~~ん。」
放棄された箱庭に瞬の泣き声がこだまする。シーンをカットする。
【情報収集フェイズ】
・a-1 結菜
情報UGN:8
PC①がイリーガルとして活動し、オーヴァードとして活動していることから、マグダラの標的にされた。これまでの誘拐も親族にオーヴァードやジャームがいる子どもが狙われており、マグダラはオーヴァード能力の覚醒に血縁が関係あると考えているようだ。
・b-1 ナイト オブ マグダラ
情報裏社会:11
FHの中でも単独行動が許されている上位エージェント。研究だけでなく戦闘にも秀でる。更に人工的に強力なオーヴァードを創るという彼女の研究はコードウェル博士にも注目されており、マスターレイス候補の1人とも言われている。
・c-1 高遠瞬
情報裏社会:8
FHの研究所から盗まれたホムンクルス。人造人間で体の成長はすでに止まっている。自分にないものを学ぼうという本能が備わっており、現在はマグダラの野心とPC③への興味の間で揺れている。彼の自我が定まった時、彼の成長は再開される。
・d-1 マグダラの庭
知識レネゲイド:8
マグダラのモルフェウスの力によって外部と隔離されていた空間。現在は彼女の支配が解かれ、ゆっくりと砂に戻りつつある。幸い収容されていた子どもたちは健康である。ただし、マグダラへの依存が強いため彼らにマグダラの本性を伝える必要がある。
・d-2 マグダラの子
意志:11or交渉:11
マグダラの洗脳を解くためにいずれかの判定に成功しなければならない。ただし瞬だけは。PC③がマグダラに勝利することで正しさを証明することができる。
・d-3 マグダラの隠れ家
情報UGN:11
マグダラにとらわれていた子ども達からのヒントを基にマグダラの隠れ家の位置を特定できる。トリガーシーンへ。
【トリガーシーン】
・シーン7:決断 PC③
PCがd-3を開放し隠れ家に向かうと宣言すると発生。
PC③は登場。PC①、PC②の登場は自由。
瞬がPC③に近づいてくる。
瞬「PC③行っちゃうの?」
瞬「ねぇ、聖母(ママ)が悪い人って本当なの?」
瞬「僕も連れて行って。自分で見たいの。聖母(ママ)とPC③どっちが正しいのか自分の目で見たいんだ。」
瞬を連れていく場合でも戦闘には参加しない。また、このシーンで瞬を連れて行かない場合エンディングが変化する。
【クライマックスシーン】
・シーン8:箱庭 PC②
PC(と瞬)は全員登場。
ナイト オブ マグダラの隠れ家は殺風景なマンションの工事現場だった。まるで引っ越しを待ちきれずにやってきてしまった住人のように、彼女の姿は滑稽に見えた。
マグダラ「ようこそ、ワタシの未来の箱庭へ。本当はあの子達に一部屋ずつあげて、みんなで暮らそうと思っていたのに。」
マグダラ「でも、あの子たちはもういいわ。ここにあなたたちが来たということは、あの子たちがワタシの秘密を守れなかったということだもの。」
マグダラ「だから、ワタシが守るのは結菜という名前のこの子と、ここまで来てくれた瞬だけよ。」
マグダラはそこまで言うと飛び上がり、建設中のビルの上まで距離を取る。
強烈なレネゲイドの反動にあてられたPCは衝動判定を行う
意思:9
衝動判定に失敗した場合、バッドステータースの暴走を得る。その後全PCは浸食率を2D10上昇させる。
戦闘に入る。敵はナイト オブ マグダラ1体。ナイト オブ マグダラから20m離れたところにPCが同一エンゲージで存在。勝利条件はナイト オブ マグダラを戦闘不能にすること。
マグダラ「今度は2刀で相手をしてあげましょう。」(ダブルクリエイト)
マグダラはかかとを浮かし、どこへでも攻撃できるよう態勢を整える。
マグダラ「あなたたちが来ないなら、ワタシから。」(一閃)
マグダラ「ここはワタシの城なのよ。」(回避成功時)
マグダラ「ワタシが守る!ワタシの子ども達を!誰にも渡さない!ワタシのものだから!」
バックトラックを行う。
【エンディングフェイズ】
・シーン9:人材 PC②
あなたが霧谷に任務完了の報告をすると、霧谷はひとつの問題を持ち出す。解放された子どもたちの受け入れ先がないのだ。霧谷は君に提案してくるだろう「彼らの教官になってはくれないか」と。
・シーン10:成長 PC③
トリガーシーンで瞬を連れて行かなかった場合、またはPC③がジャーム化した場合、瞬は自我を定めることができず活動限界を迎える。
トリガーシーンで瞬を連れていき、かつPC③がジャーム化しなかった場合、すぐに瞬はあなたと同じ背丈まで成長しあなたに外の世界のことを聞き続けるだろう。
・シーン11:再会 PC①
結菜はマグダラの城に隠されていたが全く傷つけられていなかった。UGNの病院で記憶処理と休息を取ればすぐに元気になるだろう。霧谷はイリーガルの家族の安全対策を強化すると約束した。だが、あなたがイリーガルを続けるかどうかは自由だ。どちらの道を進んでもあなたは今度も結菜を守り通すだろう。
・シーン12:爆発 マスター
くつくつと反逆の聖人(イスカリオテ)は笑う。今回は手に入らずともよいと。手に入れるほどの価値あるものでもなかったと。目の前のモニターで時限爆弾のタイマーを仕掛け、彼は立ち去る。数分の間をおいて建設中のマンションの地下にあった薄暗い部屋は爆発を起こした。彼が手に入れたかもしれなかった箱庭を巻き添えにして。
Fin...
経験点の配布
本シナリオのクリア報酬は経験点10点である。
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