第四回アキノテンノウショウ(偽)の感想文

https://kakuyomu.jp/user_events/16818093083117701585

本企画の参加作品の感想をまとめたものとなっています。

ご参加ありがとうございました!


1枠1番ロロンジョの実


作品名:ロロンジョの実

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093085370500522

作者名:秋犬さん

関連作品:なし 


アキテン(偽)は『こむら川小説大賞』を見て「ぼくも自主企画をやっていきたい」と思い始めた自主企画なのですが、その『こむら川小説大賞』にて初にお目にかかりました秋犬さんがアキテン(偽)にも参加してくださいました。

魔女の家の庭にあるロロンジョの実という特別な木の実を手に入れてお母さんの病気を治そうとする兄妹のお話。とだけ書くと、どこら辺にオフサイドトラップ要素があるのかちっともわかりませんが、途中から流れが変わります。企画の主旨にはいちばん合っている作品ではなかろうか。そうはならんやろ(なっとるやろがい)。

短い作品なのでネタバレするのが惜しい。できれば読んでほしいです。よろしくお願いします。ファンタジーなので細かいところは気にせずにいきましょう。

あらすじからしてあの『ヘンゼルとグレーテル』を想像するのですが、どちらかというと“愛は地球を救う”みたいな話です。あるいは、音楽で世界を救う話。

秋犬さんのプロフィールにモットーは『読んだら3日忘れられない小説を書く』とありますが、今回の『ロロンジョの実』はかなり忘れない話になっていると思います。少なくとも自分はそうです。たびたび自主企画を開催なされているので、自分も折を見て参加させていただきます。 


2枠2番ジャスミン・ラブ


作品名:ジャスミン・ラブ

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093083162831476

作者名:黒井咲夜さん

関連作品:『超新星たちのコントルダンス』


こむら川参加作品のF1恋愛グラフィティ

『超新星たちのコントルダンス』

https://kakuyomu.jp/works/16818093082912222103

に登場する照茉莉花さんのお話。

アキテン(偽)の参加作品の文字数上限を二万字にしたかいがありました。書いたものはできるかぎり削ってほしくなかったので……。茉莉花さん視点で描かれているので、茉莉花さん側の事情と気持ちが詳しく知れたのがよかったですね。バカ社長の求婚はまあ……無理だろ……(相手が茉莉花さんじゃなかったとしても難しそう)。

ジェンダー問題は取り扱いが難しいのでここでは踏み込みませんが、茉莉花さんの感じていた『心に穴が空いたような心地』は一朝一夕に埋められるものではないですね。社会で生きている人間にとっての『幸福』は、その人の価値観によって変わってくるものです。だから、他人の尺度でその人の『幸福』は推し量れないのですが、人間が生きていくにあたっての“世間体”があるのがね。人は一人では生きていけないので、自分がよしと思っていても周りがよしとはしてくれないことが多々あります。

未来の話なのでロマンスカーが走っている。そして『かみよも』『いまむか』の世界観なのでどっかで見たような名前もしれっと出てきた(火村さん! 火村さんじゃないか!)。こういうファン交流イベント自体はお仕事のひとつなのですが、バカ社長やらカミーユやらにからまれるのめんどくさい。バカ社長は立場を利用してくるのも実家周りを掘り下げてくるのもいやなやつだなあ。茉莉花さんにはディーちゃんがいるのよ。茉莉花さんのファンの存在もいてよかった。こういう細かいところに救われる。恋愛模様だけでなくレースシーンも大迫力でとてもよかったです。F1と別れてディーちゃんと結婚するエンディング。茉莉花さんのこれからが平穏であることを祈っています。


3枠3番女神のこどもたち


作品名:女神のこどもたち

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093085423480598

作者名:紫陽_凛さん

関連作品:転生天才テイマーですが、和平都市を作って伝説になりました。


転ポンの紫陽凛先生が来てくれたぞ。

転生者の天才テイマーのヒルダちゃんと美形の半魔族おにいさんであるルシウスさんの“男女バディ”による領地経営物語『転生天才テイマーですが、和平都市を作って伝説になりました。』こと『ててテイ』のスピンオフが来ました。『ててテイ』のURLはこちら。


https://kakuyomu.jp/works/16818093084757751174


バディとカップリングの違いは(自分も詳しくはないのですが)恋愛感情の有無らしいですね。意見をぶつけあったりお互いの力を認め合ったりしながら歩み寄っていく姿を読んでいくと、ヒルダちゃんとルシウスさんのふたりを自然と応援したくなります。ヒルダちゃんの見た目うんぬんを差し引いても恋愛にはならなさそう(現状読み進めている段階での感覚)なのである意味バディモノを読みたい層には安心(恋愛をやっている時間がなさそうというのもある。和平都市を作る、というのが王命である)。今後の展開も楽しみにしています。

先に関連作品の『ててテイ』の話をしてしまいましたが、アキテン(偽)の参加作品は、そのヒルダちゃんの所属していた勇者一行のうちの一人であるリーグル、の弟の話ですね。飛び越えてはならないラインを飛び越えてしまいそうな兄弟愛の話。

ふたりは両思いなのかなあ……でも、兄としてはあくまで“弟として”愛している、とあるので重さが同じではなさそうなのがつらいぜ。ままならないですな。濃厚な愛の話がぎゅっと詰め込まれている。『ててテイ』本編でのリーグルは嫌味なキャラではあるけども、ヒルダちゃんのことを心配してくれているいい人です(だと自分は思っている。これから『実は、』って来たらどうしよう)。


4枠4番仮面バトラーカッター


作品名:仮面バトラーカッター【非公式】

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093084234118364

作者名:鯛谷木さん

関連作品:【連載版】仮面バトラーフォワード、Daydream on Alizarin 


『仮面バトラーフォワード』はみなさまご存じ“平成仮面ライダー”のオマージュとなっているのですが、そのオマージュに自分の好みのヒーロー像を混ぜ込みながら再定義しつつ、非公式作品としてのさりげないオチを入れてきている本作品。関連作品の『Daydream on Alizarin』(以下、アリザリンと表記)は過去の自主企画『スクリーンヒー口ー杯』にご参加いただいていた作品なので、彼らのアフターストーリーとしても読むことができて自分は嬉しいです。ありがとうございます。アリザリンはこちらから。

https://kakuyomu.jp/works/16818093079871387978

アリザリンでは孫の手や竹ものさしで戦っていた居刃さんですが、今回は仮面バトラーの戦闘力を活かしたアクションをしていて、これもまたかっこいいですね。かっこよさでいうと、戦闘に入る前の変身シーケンスの描写に力が入っていてとてもよいと思っています。仮面バトラーはライダーのように映像作品を想定しているのですが、映像の情報量と文字での情報量で考えると、やはり映像の情報量のほうが多いので、文字での情報量で伝えきるというのはなかなかうまくいかない(ので、自分も毎週悩んでいる)ところがあります。

カッター、長編化してほしいところではありますが、居刃さんのストーリー(カッターの変身者としてではなく、アリザリンのその後の話だったり、居刃さんの過去だったり)も気になるので、もし気が向いたら書いていただけると自分は喜んで読みに行きます。


5枠5番仮面バトラーエスケープ


作品名:【オマージュ作品】仮面バトラーエスケープ

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093085537367414

作者名:さくらのあさん

関連作品:【連載版】仮面バトラーフォワード 


逃げるんだよお! ――仮面バトラー史上もっとも素早い仮面バトラーは、エスケープの名の如く、怪人とは戦わずに逃げる。だって、怪人怖いですし。仮面バトラー側がワガママ言う(高い食事を所望する)流れ、他の仮面バトラーにはない味がある。

基本的なフォーマットがお嬢様と、お嬢様をお守りする立場の執事なので、力関係としてはお嬢様のほうが上に来がちなのですが、エスケープではお嬢様がカトラリーで戦う。タメ口で話す。それでもちゃんとお世話はする。お嬢様と執事なので。第3話にてどうしてこんなことになってしまっているのかの解説パートが挟まるので、まあ全部読んでいただきたいです。ここでは言及しません。怪人の出現を察知できる能力は、こちら側についてしまっているんだなあとは思いました。仮面がひっついたまま取れないのは不便かもしれない。

いつか怪人を倒して世界が平和になったとき、お嬢様と執事も幸せに暮らせるようになりそう、なのは、あとがきを読むとわかります。ギミックにわかりにくいところはあるかもしれませんが、それもあとがきを読むとわかります。よかった、ハッピーエンドだぜ。

作者のさくらのあさんといえば『どうせみんな死ぬ。』シリーズなので、今回のアキテン(偽)も、もし参加していただけるのであればんなしぬのスピンオフなのかなと思っていたのですが仮面バトラー祭りに参加してくださいました。ありがとうございます。なお、んなしぬシリーズは現在0章が公開中なのでこちらからお読みください。https://kakuyomu.jp/works/16818093079097938505


6枠6番ミライヘノツバサ


作品名:ミライヘノツバサ

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093083131904907

作者名:秋乃晃さん

関連作品:【連載版】仮面バトラーフォワード


自作品です。魁泰斗の死後に現れたサキガケこと(宇宙からの侵略者である)アッティラと、仮面バトラーフォワードの主人公・望月勝利の兄である勝風しょうぶ役の近衛将史の交流を描いた短編となっています。作中に出てくるエピソードは、東映特撮の出演者さんたちのインタビューで触れられているオーディション秘話を参考にしました。

内容としては『スワンプマンの思考実験』のようなものです。ニセモノがホンモノに成り変わる話なので、ジャンルはSFにしました。自己同一性の話は自分の書いた他作品でも幾度となく取り上げていて、本作が最新アップデートバージョンといった形になりますかね。短編でうまくまとまった気がするので、ここからでも読んでほしいなあと思います。あと1エピソード、舞台挨拶編を書き加えてカクヨムコン10の短編賞に出します。対戦よろしくお願いします。

サキガケ(アッティラ)はお気に入りキャラの一人なので、本作品の設定でうまいことホラー調に仕上げられないかを検討しつつ、ずっと脳内で練っています。よき頃合いで何かを連載し始めるかもしれません。


7枠7番仮面バトラーマリーン


作品名:仮面バトラーマリーン 第一話 【非公式】

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093083565275664

作者名:フカさん

関連作品:【連載版】仮面バトラーフォワード 


令和だ! 令和の時代にも続いている仮面バトラー! 2024年の仮面バトラー枠はマリーン!

(ということは、キー坊+明日とキサキちゃん+文月ちゃんは『仮面バトラーマリーン』がメインとして登場し、フォワードが客演した映画を観に行ったのかな。これは自作品のとあるエピソードの話です)

ヨコハマのサクラギ町、ミナトミライ。数多くの作品に登場する土地ですね。わたしの好きな『マブラヴ』や『君が望む永遠』の舞台のモデルとなっているのはヨコハマですし、とある映画の主題歌には『明け方の街 桜木町で』と名指しされています。昔から海外に開かれた港町である点が、想像力をかきたてるのでしょうか。わたしは指折り数えるぐらいしか行ったことがないんですけど……。

魚人うおんちゅ、まずビジュアルが怖いですね。怪人が怪人らしい造形をしている。頭の部分がウツボの人が歩いていたら怖いよ。魚人ということで、海の生き物でモチーフが統一されていそうなのもよいですね。ヒトデマンとかフジツボマンとかいるんだろうな。海キング様、いったい何者なんだ。海キング様を倒すのが最終的な目標になりそうですが、海キング様の正体に疑問符が付けられているあたりに長編化への可能性を感じずにはいられません。ベルーガさんにとっては復讐の戦いでもあるでちなあ。三世代で漁師をしている海の男な海人くんとお嬢様(まだ疑惑)のナミネちゃんとの恋愛路線も期待できますね。一つ屋根の下で暮らす二人とベルーガさんによる魚人とのこれからの戦いを妄想できる短編でよかったです。仮面バトラーの可能性は無限大だ!


8枠8番仮面バトラーレンズ


作品名:【パイロット版】仮面バトラーレンズ

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093083453681777

作者名:筆開紙閉さん

関連作品:【連載版】仮面バトラーフォワード


探偵で執事! 探偵ライダーと言えば『仮面ライダーW』がいますが、両立できなさそうな職業を組み合わせる手法は『仮面ライダードライブ』を彷彿とさせます。ドライブのキャッチコピーは『刑事で仮面ライダー』ですからね。ドライブに関してはトライドロンが全面に押し出されていたからか、放送前に「仮面ドライバーじゃんw」という意見が流れていたのも思い出しました。放送開始されてからは気になりませんでしたね。

時間怪盗によって時間が盗まれている日本。時間を盗む敵と戦うのなら、自らも時間を盗む能力を持っていなければならない。敵と同種の力を持っている正義のヒーローが、人々のため、その力を行使するのが仮面ライダーもとい仮面バトラーの基本骨子といいますか、他のヒーローモノとは異なる点なのではないかと自分は思っています。諸説あります。

記憶喪失にして仮面バトラーレンズとして戦う主人公マサトと主人公の雇い主であるお嬢様のウイヒメ、そして主人公たちが入り浸るカフェの店長にして情報屋と、暗躍する敵サイド。情報量がもりもり盛りだくさんで読み応えのある作品です。読み応えがあるけれども決して読みにくいわけではなく、見せ場がバシッとキマっているので満足感があります。レンズというアイテムで人間が切り替わるのも、イメージしやすくてよいと思っています。

現在は本作の長編化作品である『【連載版】仮面バトラーレンズ』が連載中となっています。そちらも皆様に読んでいただきたいですね。毎週日曜日に新エピソードが公開されており、自分も楽しみにしています。

作品のURLはこちらです。https://kakuyomu.jp/works/16818093084374824668

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