第24話モク拾いの男

今日、昼飯を買いにコンビニに行く。すると、コンビニに設置してある灰皿を漁っているオジサンがいた。どんどん、シケモクを胸ポケットに入れていた。

買い物を終えて、自転車に乗ろうとすると、シケモクに火をつけて、一服するオジサンの姿があった。

切ない。

僕もシケモク拾いの過去があったのだ。

それは、給料を全額、嫁さんが持っていきお小遣いが無く、1日500円生活をしていた時だ。

飯よりタバコが吸いたかった。


僕はシケモクを拾うオジサンをバカにしない。だが、あの生活には戻りたくない。

如何なる理由でシケモクを拾う身になったかは不明だが、いつか新品の長いタバコを吸ってもらいたい。

嫌煙家には分からないだろうが、シケモク吸うくらいなら、タバコを辞めればいいのだが、愛煙家=ニコチン中毒者は辞めれないのだ。

あの、シケモクに火をつけて美味しそうに吸うオジサンの顔が忘れられない。

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