今、働き方が変わる~コロナ渦が与えてくれたヒント~

NOTTI

第1話:労働環境の変化 ①

現在、コロナ渦によりさまざまな部分が変革を遂げている。例えば、労働の面ならテレワークの導入や本社ビルなどの部分売却など会社規模の縮小が日々行われている。そして、都心の本社ビルを売却し、地方にオフィスを移すという企業も目立ってきた。


 今はテレワークを導入する企業が多いが、これはコロナ渦に生き残るための“手段”なのだ。テレワークというのは企業にとっては社員の感染や精神的負担を減らすことが出来る働き方であり、通勤時間を仕事に使えるのだから一石二鳥だろう。そして、テレワークを導入することで企業のオフィスもビルを使わなくて済むため、借りているならオフィスの家賃、所有しているなら固定資産税を削減することが出来る。そして、社員の人数も必要最低限に絞ることで一定の事業規模が維持できるという場合が多い。


 ただ、社員の人数を減らすということは“生き残るために必要な事”だと捉える人もいるが、私は“減らした社員がまた戻ってこられる場所を作る”という考えだ。これは、組織(会社・企業)というのは経営が傾くと現在の営業利益では全員を雇用維持することが出来ないという判断をした際に社員を減らさなくてはいけないということになる。しかし、多くの人たちは“生き残るためだから仕方ない”・“能力がないから仕方ない”とその減らされる社員があたかも悪いような認識を持っている場合が多い。私は社長にとっては「この社員を手放さなくてはいけない」というのは断腸の思いであるはずだが、中にはそう思っていない場合もあるため、どちらなのかという判別が難しいという部分もあり、仮に後者の場合は次につながる自信を喪失してしまう可能性があるのだ。


 そして、前者の場合は恐怖心というのはなく、自分で新しい仕事を勝ち取る人や自分で事業を立ち上げる人など多岐にわたる就職先が得られる場合が多い。


 このように解雇・雇い止めされた状況によりその人の人生が変わってしまうことになるのだ。


 そして、新しい仕事を見つけるにもそれなりの実績や資格などが備わっていないとなかなか見つからないというケースが多く聞かれる。もちろん、非正規雇用でも同じような状況が起きている。そのため、市場の流動性を考えると正規雇用よりも非正規雇用で採用したいと思うのだろう。


 後者の場合は精神的なショックが大きくなるだけでなく、理由も告げられない、唐突に言われるなど本人の組織(企業・会社・団体)に対する不信感が芽生えてしまい、心理的ダメージが強くなってしまう。ショックの軽い人は再度別の企業などを受験する人もいるだろうが、たいていは社会復帰することが難しくなり、内職などの非対面の仕事を希望する人も少なくない。


 このような状況を生んだ結果、就職希望者数は増えても下降傾向になってしまう要因が“社会と個人の認識差”だと思っている。ほとんどの人は普通に会社に入社し、その会社でキャリアを積み上げる。しかし、入社したものの環境になじめず、体調を崩してしまう、不当解雇されてしまうなど個人にとって不利益を感じてしまうと人というのは1人では元に戻すことは難しい。

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