第52話 皆でアニメを観て学習しよう!
土曜日 朝8時58分 オタク部屋
俺「お〜い皆ぁ! それじゃあ、お前達のアニメ 異世界幻想伝 フレイリアーナ が始まるからモニター前に全員集合! 全員集合!」
遅めの朝ご飯を食べ終わり、土曜日の朝8時30分前オタク部屋のディスプレイの電源を入れ、何度も繰り返した動作でチャンネルを合わせる。
今週は第8話のはずだよな? 前話は確か? 優樹が[ フェニックス シュート ]を初めて使って倒れて終わった話しだから…原作コミックでは何巻の話しだったかな?
優樹「は〜い将吾君、先週はボクがフェニックス シュートを使ったら倒れちゃったんだよね!? 大丈夫かな? ボクまた戦えるかな?」
優樹が心配そうな顔で飛ぶように走って来た、でも優樹…その手に持っている唐揚げは何処から持って来たのかな?
クラリッサ「マスター、今から我々の活躍を我々が学習するのだな! うむ、自分の戦い方を良く学び、より強くなろうではないか!」
クラリッサもクールな出で立ちでスカート アーマーを揺らしながらディスプレイの前に立った。
クラリッサ、お前も何処から唐揚げ持ってきたの?
フォン「ワッフ、ワッフ?」
フォンもモジモジしながら唐揚げを持って上目遣いで俺を見てくる。
いいよフォン、好きなだけ唐揚げ食べてアニメ見よう。
カトやん「いや〜、ただテレビ見るだけじゃ味気ないじゃ無いですか、アニメを見ながら皆で唐揚げを食べましょう。
それともシバやんは、もしかしてポテチ派でありますか?」
出処はお前かカトやん…俺も食べるならポテチより唐揚げが良いので俺にも一個くれ! いや下さい。
オープニング テーマ曲[ 未来を君と! ]が部屋中に響く、今にも走り出したくなる良い曲だ。
優樹達も今まで何度も聴いた曲なのでノリノリで歌っている、勿論俺とカトやんもノリノリだ!
全員「い〜く〜よ〜! イッチ! 二ー! サン! シー! GOォー!」
素晴らしい! 見事なハモリだ! 是非あと2人揃えてこの曲と共に全員ポーズを決めたい。
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アニメ
異世界幻想伝 フレイリアーナ
第8話 「邪枝の先は深く密かに」
Aパート
フレイリアーナ王国 王宮
クラリッサ「優樹はまだ目を覚まさ無いのか?」
部屋に入って来たクラリッサはベッドで静かに眠っている優樹の顔を覗き込みながら、側に付き添っているフォンと紫鶴に声をかけた。
優樹は老猿との戦いの後、倒れたまま深い眠りに付いていた。
紫鶴「優樹殿の顔色は悪くは無いのです。
ですのでこのまま安静にしていただくのが良いと思われます。」
フォン「ワッフ、ワッフ……フウ。」
紫鶴もフォンも目を覚ます気配の無い優樹を心配して暗い表情をしていた。
クラリッサ「余り根を詰めすぎるとお前達まで倒れてしまうぞ、余り思い詰めないようにな。
所で…メーナの奴は何処に行ってしまったのだ?」
紫鶴「メーナ殿は…眠くなったから日が落ちるまで寝る…と言って、隣の部屋に行ってしまいました。
全く、優樹殿がこの様な時に相変わらず自由過ぎる御仁でありまするな。」
紫鶴はメーナの態度に少しプリプリしているようだ。
それを見たクラリッサは学舎からの長い付き合いのあるメーナの考えを紫鶴に伝えた。
クラリッサ「メーナの奴は日が沈むまで寝る…と言ったのだろう? ならば夜からは自分が優樹の側に居ると言っているのだ。
人をからかってばかりで誤解も多い奴だが、その分周りを見ている。
優樹の事だけじゃ無く、お前達が夜眠れるように今の内自分が寝たのだろう。
…まあ、半分は自分が寝たいからだろうが…。」
クラリッサの言葉を紫鶴は少し頬を紅くしながら文句で返した。
紫鶴「メーナ殿は何故? いつもいつも誤解を招く言い方しか出来ないのですか?
もう少し…何と申しますか…もっと素直に言葉にすれば良いと思うのですが…。」
クラリッサ「ははははっ、奴の捻くれっぷりは筋金入りさ、お陰で学舎の頃から散々ぶつかり合ったよ。
口調も行動も自由奔放過ぎるが、それが相手を気遣う行動だと理解するまでかなり時間が掛かったよ。」
クラリッサは学舎時代を懐かしむように微笑みながらメーナとの事を2人に話した。
クラリッサ「ここは私が居るから、下で食事をしてくるが良い。
二人共、腹が減っているだろう。」
紫鶴「クラリッサ殿、リリア殿はまだ氷の棺に?」
クラリッサ「ああ、リリアはまだ凍ったままだ。
置物として飾るには中々良いと思うが、あの小五月蝿い小言が無いとどうも城が静かすぎてな…。」
フォン「ワッフ、世界樹への道は開けた…後は進むだけ。」
3人は胸に宿る決意と共に静かに眠る優樹の顔に視線を向けた。
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メーナが寝室の扉を開けると窓辺に腰掛け此方に笑顔を向けた先客が居た。
メーナ「あれ? あれあれ〜? ここは女性の寝室だよ、部屋を間違えたのかな? それともそれとも〜? もしかしてメーナに合いに来たのかな〜?」
いつもの軽い口調と人懐っこい笑顔で来訪者に声をかけると同時に、背中の大釜[ 黒 ]にユックリ手を伸ばす。
ティムト「やぁ、今日は良い夕日だね、君の事はずっと前から星見で知っていたんだけど…言葉を交わすのは初めてだね。
僕の名はティムト。
今日、純白の勇者が見せてくれた星の輝きで、世界樹に新しい運命の枝が一つ誕生してね。
まだまだ芽吹いたばかりの枝を手折られてしまわないように…僕は君に会いに来たんだよ……黒茨の剣士さん。」
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