第21話
あれから、エルの目には些細な変化があった。
それは、今まで以上にエルの見ている世界に灰色以外の色が見えるようになった。
この世界は治癒術師がいるように、魔法を扱うものがいる。
そして、人々は、体内に魔力を持っている。
魔力にも人それぞれの色がある。それは属性ごとに分かれていた。
治癒術師の人々が持つ魔力はピンク色であり、呪術師やその影響を受けている人々の持つ魔力の色は黒や黒の混ざった色になる。
エルはもともとの魔力の属性(色)を知らなかった。これは、貴族であれば幼少期のころに受ける魔力の適性検査を受けていないからである。
魔力の適性検査は、5歳のころに魔力が白色である光魔法を使える魔術師を雇い、魔力を抽出してもらい、混ざった色を見て判別するものだ。
人それぞれ魔力量や適性の強さによって色の強弱は変わるが、それでも基本色(赤・火、青・水、緑・風、黄・土)と数少ないが応用色(白・光、黒・呪、ピンク・治癒))は出るのだ。
エルは治癒術師に治癒術をかけられた際、エルの持つ魔力量が体内にもてる魔力量を超えそうになり、ギルドの冒険者で光魔法を使う魔術師に魔力を抜いてもらったのだ。
その副作用でエルは自身の魔力を自覚することが出来るようになり、その結果、自分以外の人々の魔力の色を知覚することが出来るようになったのだ(と言ってもまだ魔力が大きい魔術師しかわからないが)。
この影響でエルの見る世界に色が付くようになった。
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