第17話

「ぬううう...」


「さてさて。力は同格、というかそれ以上と確定した相手に対して、そんなバカデカイ状態で戦うつもりか?これじゃあただの的当てゲームになっちまうぞ」


「...気に入らん!...気に入らんが、確かに正論じゃ!!いいだろう!光栄に思え人間!同じ土俵で戦ってやるぞ」


 ドラゴンの姿が変化を始め、数秒の内に人型へと変わった。長い白髪に、色白の肌、紫色の瞳、身長はかなり低いな。


「ふふん!どうじゃこの姿は!ワシは知っているぞ!オマエ達のような若造は、こういう姿の童には手が出せんとなぁぁ!!」


「...バカが。___‘地雷アップル起動‘」


「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」


 どさくさに紛れて仕掛けておいた地雷型の小型リンゴを起動し、ドラゴンを吹き飛ばした。細く綺麗な片腕が吹き飛び、体や顔の半分がエグレ取れたような状態になったが、それも一瞬だけの話。予想通りやつの体は高速で再生を始めた。


「あ、ありえん!おまえ!こんな美女を爆殺するとか本当に人間か!?」


「レッスン2 、何事にも例外は存在する。残念だがその手が通用するのはロリ★コンだけだな。俺の好みからはちょっとだけハズれている」


「むうう...。ならばこんな感じかの?」


 ドラゴンが自分の胸元に手を当てると、その部分がわずかに膨らみ始めた。


「ぐうっ!?てっ、てめえ!!なんて悪魔的な事をしやがるんだ!これじゃあ俺が攻撃できねえだろうがああああああああああああああああああああああああああ!!」


「......おまえ、バカじゃろ?」


 いやいや、落ち着け俺。あんな見た目だけのものに騙されてはいけない。あれは所詮偽乳だ。フェイクでしかないんだ。...いやしかし!あの見た目であのスタイル!やっぱ最高じゃねえかぁ!?...いやいやいや、ダメだって!落ち着け!!


「ふっ...ふん!!残念だったな。2年前の俺だったらイチコロだっただろうが、今の俺には通用しない!だがしかし、中々悪くない攻撃だったと褒めておこうか」


「なるほどの~。この方向性なら勝てそうじゃな」


「...遊びはこれで終わりだ」


「ぬっ!?」


 迷いを振り払うために、片腕に魔力を集中させる。...この技を使うのは久々だな。人間だろうが魔物だろうが、こいつを全力でぶつけるとあっという間に壊れちまうからな。良い感じに加減しておかないと。


「最終試験だ。...圧倒的な力を前にして、お前はどう行動する?」

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