私の好きなモノ語り~My Favorite Items~
けたじぃ
第1話 【自転車】プジョー メトロ
プジョー(PEUGEOT)と聞くと、ほとんどの人はライオンマークで有名なフランスの自動車メーカーを思い浮かべるでしょう。しかし、昔は自転車も作っていたのです。それも自動車より自転車のほうが先、にです。1882年に初めての自転車を作り、初の3輪自動車を製造したのは1889年。
しかも、自転車メーカーとしての輝かしい歴史もあります。1903年から1983年までの間に世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスで通算10回、総合優勝者の使用自転車になっています。
そんなスポーツ自転車メーカーとして名を馳せたプジョーも80年代に入ってからは失速し、80年代末にはプジョーブランドの自転車の商標権をサイクルヨーロッパに貸与することになりました。それまでのプジョーの自転車はフランス製だったわけですが、90年代に入ってからは、台湾で作られるようになりました。
で、プジョー自転車の愛好家は、おもにフランス製のプジョーを愛でるわけです。台湾製のプジョーはプジョーにあらずと。台湾で作られたプジョー自転車も、プジョーが作っているわけではなくとも、プジョーブランドを背負っているわけで、同じプジョーなのに同等には扱われなかったりします。
その後もプジョーの自転車はライセンス契約の関係で、あっち行ったりこっち行ったりして、よくわからないことになっています。そういう意味でプジョーは、ちょっと残念な自転車メーカーと言えるかも知れません。
前置きが長くなりました。
で、私のお気に入りの自転車は、90年代に作られた台湾製のメトロ(METRO)という自転車です。ぱっと見、よくあるママチャリに見えるかも知れません(女性用のお買い物用ではなくて、男子学生が乗るようなタイプですが) フレームの形はダイアモンド型フレームと言って、横から見たらひし形になっているタイプ。乗るときは足を挙げて跨ぐタイプですね。スカートの女性でもまたがりやすいママチャリのフレームは、スタッガードフレームと言います。
プジョーのライオンロゴマークも入っています。メトロでも古いタイプは、崖の上でライオンが吠えているロゴですが、比較的新しいものだと「ライオン・アウトライン」と呼ばれる、シンプルなもの。
で、見た目ママチャリのこの自転車、実はマウンテンバイク(以下、MTB)規格のパーツが多用された、それなりにしっかりした自転車だったのです。何が普通のママチャリと違うかというと、タイヤサイズがMTB規格だったり、ブレーキがカンチブレーキという昔のスポーツ自転車でよく使われていたものだったり。
ただこのメトロ、実際は廉価な自転車だったので、使われているパーツはそれほど良いものではありませんでした。でも、です。規格がMTB規格であるならば、MTB用に作られたグレードの高いパーツに付け替えることが出来るわけです。
2010年に私はヤフーオークションで、中古のメトロを手に入れました。値段は確か8~9千円ほどです。すでに自転車はツーリング用と折りたたみの2台持っていたのですが、普段使いのお買い物用として。多少ボロくても素材としてちょっといいのがないかと探したところ、見つけたのがメタリックブルーのメトロ。出品者が県内のそう遠くないリサイクルショップだったので、実際に見に行ったうえでヤフオクのシステムを経由して落札。落札後にリサイクルショップにまた出向き、そのまま乗って帰りました。
家までなんとか乗って帰ったものの、なかなかにひどい状態。傷だらけだし、ペダルは左右違うものがついているし、シートポストが錆びついてサドルの上げ下げが出来ない、などなど。そのままで乗り続けるのは難しい状態でした。
購入後、まずはいったんパーツを全部取り外しました。そのうえで新規に部品を買ったり、ヤフオクでちょっと古いけど感じの良いパーツを買ったりして、新たなメトロを組み上げたわけです。
出来上がったのは、ちょっとレトロなシティサイクル。お買い物用として組み上げたので、前にカゴもついてますし、後ろにキャリアもあります。見た目はママチャリ。でもわかる人にはわかるMTB規格のパーツが使われた、しっかりとした自転車です。
ずいぶんと傷だらけのこの自転車、多分ずっと乗り続けるでしょう。
写真は↓こちらから。
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