equalizing paper love a fair est
De Lorean
素敵なあなたの名前とその可愛い服の裾を揺らすワルツ
ナガトユキはその場所で
暫く佇んでいた
長い間、図書館の
椅子に座り続けた
そう、一日が3650時間
あるのだから
閉館まで
だいぶあった
ナガトユキは
とうとう本を読むのを
止めて、近くの電話ボックスに
向かい、電話をかけた
相手は長門ユキである
「・・・・・・」
ユキとユキは通話中
ずっと無言だった
その静かな無言の中で
思念をお互い送り合った
ナガトユキは
「ありがとう」
言った
長門ユキ
「アリガトウ」
と言った
ユキは図書館を出て
雪の星を見上げて
呟いた
私のせいで
地球が
二つになってしまった
こと
この宇宙が
二つになったこと
その責任を見つめている
自分を確認して
地球を見ながら
「もう戻れない
私はもうこの”星”から
出られない
ここは
閉鎖宇宙・・・・・・」
ユキはもう一度
時空改変を行うことに
同意する自分に気づいて
驚いた
私はいったい誰?
ユキとユキ?
そうね
私、ユキでも
ユキでもない
ただのよくわからない
存在?
私は私
それだけ
その事実
は
次の、時空震
で消えて
しまう
その前にキョン
に会いたい
「え?」
記憶が消されていない
どういうこと?
私は記憶が
バックアップ
コードに
デファクトされている
そんなことが
許されるわけがない
ナガトユキは
ため息をついた
キョンが
そう
あの人が
私の記憶を
キープしているから
私の存在を
維持しているのね
ナガトユキは
少しかしこまって
制服の皺を伸ばして
もう一度、地球を見つめて
から
キョン
に
電話を
かけた
この続きは
あなたが
書くことになるわ
ナガトユキ
は
そう、留守番電話
の録音に
告げると
本を綴じた
終
2022
04
14
つづく
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