57 6月15日(水) 面白い小説を書く方法

 う~ん・・う~ん・・


〔天の声:なんや、どないしたんや。便秘かいな?〕


 あっ、天の声。久々の登場だぁぁ・・生きてたんですか?


〔天の声:生きとるわい。勝手に殺しなや。で、何で悩んでんねん?〕


 作品のPVが伸びないんですぅぅ


〔天の声:そりゃ、当然や。あんたのつまらん小説を読む人なんかおらへんで〕


 そんなこと言わないで・・何とか助けてよ・・


〔天の声:しゃあないなあ。助けたるわ。・・・そもそも、あんたの作品の主人公には目的はあんのんかい!〕


 主人公の目的?


〔天の声:そうや、目的や。ここでな、わてが聞いたある話をしたるわ。よう聞きや。・・・・・あるマンガが漫画週刊誌に連載されていたんじゃ。そのマンガはこういうストーリーじゃった。・・全部集めるとどんな望みもかなうという玉が、世界中に散らばってしまったんじゃ。それで、主人公が一つ一つその玉を集めていくんじゃ。その玉を持っている様々な敵と戦い、その都度その難敵を倒していくのじゃ〕


 わ~、面白そう。


〔天の声:そう、面白いストーリーなのじゃ。それで、その漫画週刊誌では連載している作家に一人ずつ担当者がついておった。マンガの作者も担当者も「このストーリーは絶対に面白い」と確信していたわけじゃ〕


 で、どうなったの?


〔天の声:その漫画週刊誌では毎週、掲載したマンガの人気度を調査して、社内でランクを発表していた。そのマンガは作者も担当者も「このストーリーは絶対に面白い」と確信していたのに、何故か順位が毎週ものすごく低かったのじゃ。作者も担当者も首をひねった。「こんなはずはない」ってな〕


 それは不思議だね。


〔天の声:そうなんじゃ。担当者も不思議に思って・・作者の所に行って「先生、こんなに面白い話なのに・・どうして人気がないんでしょうか?」って相談したんじゃよ。それで、その相談中に担当者があることに気づいて、作者にこう聞いたんだ。「ところで、先生、主人公は一体何のために、全部集めるとどんな望みもかなうという玉を集めているんですか?」ってな〕


 ・・・


〔天の声:それで作者はこう答えたんじゃ。「そりゃ、全部集めるとどんな望みもかなうわけだから、誰でもそういう玉が欲しいでしょう」・・・担当者はこう切り返した。「でも先生。主人公はその玉を全部集めて、一体どんな望みをかなえようとしているんですか?」・・・作者は絶句してしまった。そんなことは考えてもいなかったのじゃ〕


 その玉を集める目的は何かってことですよね・・


〔天の声:そうじゃ。しかし、その作者も担当者も偉かった。そこで、大切なことに気づいたんじゃ。そのマンガのストーリーは抜群に面白いんだけど、主人公の行動の目的が描かれていないことにな。だから、読者は主人公に感情移入ができず、それで人気が出なかったというわけなんじゃ〕


 で、どうしたの?


〔天の声:作者と担当者が相談して、主人公の目的を作ったんじゃよ。具体的には、武術大会が開催されることにして、主人公はその大会で優勝するという望みをかなえるために、玉を集めているというストーリーに変更したんじゃ〕


 それで、どうなったの?


〔天の声:その効果は抜群じゃった。たちまち、人気が出て、漫画週刊誌の人気ランキングで毎週一位を取るようになったのじゃ。そして、その人気はどんどん膨らんでいって・・ついには世界中でそのマンガが読まれるようになったんじゃ〕


 ふ~ん。目的って大切なんだね・・


〔天の声:この話はわてが人から聞いたものや。それで、その人も他の人から聞いたらしい。他の人も別の人から聞いてて・・つまり、伝言ゲームみたいになってるから、事実とは違ってる部分があるかもしれへん。まあ、そこは割り引いて聞いてや。まあ、事実と違う部分があったとしても、それでも、主人公には目的が必要ちゅう結論は変わらへんのや。・・どうや。この話はそのまま小説にも当てはまるやろ〕


 分かりました。話の細部にはこだわらないようにするよ・・それで、この話は小説でも同じだね。・・・しかし、小説を書くときに、主人公の目的なんて、いままで特に意識しなかったけど・・目的がこんなに大切だなんて知らなかったよ。


〔天の声:そうじゃ。小説の主人公の行動の目的がはっきりしていないと、読者は主人公に感情移入できないから、その物語の中にのめり込むことができないんじゃよ〕


 うわ~。これはいいことを聞いた。さっそく、僕の作品を見直してみるよ。


〔天の声:ぜひ、そうするんじゃ。目的がはっきりしていることが大切なんじゃ。・・・ま、人生と一緒じゃな。目的がはっきりしてない人生ほどつまらんものはないわけじゃ〕


 人生の目的かぁ・・ところで、天の声の人生の目的って何なの?


〔天の声:えっ、そ、それは・・わて、ちょっと、忙しいから・・・〕


 あっ、逃げちゃあだめだよ。お~い、天の声ぇぇ・・


 あっ、そうだ。小説の書きかたって言えば・・僕の作品に『永痴魔先生の小説講座』っていう駄作があるよ。読んでない人は、お暇なときにのぞいてみてね・・


 ところで、皆さんの作品の主人公には目的はありますか? 

 

 そして、皆さんご自身に目的はありますか?


 えっ、ボク? そんなもの何もないから・・いま、考えてますぅぅ!



 『永痴魔先生の小説講座』のURLですぅぅぅ


 https://kakuyomu.jp/works/16816927863008912695


 

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