シナリオ〈仮〉

水沢 ゆい

第1幕 ──春。出来事は突然に──


主人公「じゃあ、行ってきます。」

母「気を付けてきてね。あきひで。」


ガチャッ《ドアを開ける効果音》


ドアを開けると、春特有の優しいそよ風が頬を撫でる。

ここ3年間ひきこもりだった俺には無縁な春の日差しが、痛いというほどに俺の染色体を刺激する。

街のあちらこちらで散見される、‹正装を身に纏った›子供たちの姿は、太陽の眩しさすら凌駕するほど輝きを発している。


すべてが非日常な朝に困惑しつつも、俺は一歩一歩と歩を進める。







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