29 静かな心

おいで

静かな心よ


わけのわからぬ野心が

私を

棘の多い天まで

引っ張り上げていたのだ

切なく空を泳ぐ

凧の糸が切れて

いとも快く落下する

手足を伸ばして

お前のなかに落下する


現在いま生活くらし

悪くはない

私はお前のなかで

現実の生き様を抱きしめる


私が持つ

人々とのつながり

その一つ一つに

光をあてれば

済まなくも

浮かび上がる

綻びの数々だ



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