第27話暗殺

「どうして?あの二人は男と女の関係でしょう」

「いや、男と女の関係ほど怪しいものはありません。

特に一文字は平気で女を売る男です」

亮に言われて美咲は屋島と三崎を思い出した。


「そうね」

「ジャネットの隣の部屋の日本人

女性がカズエと言うらしいんです」

「そんな偶然があるわけ?」

「明日行ってみましょう」

「ええ」


「とりあえず、日本人女性の変死体があるか

 ニューヨーク市警に聞いてくれませんか?」

「わかったわ」


~~~~~~~

会食が進むとブルックとジャネットと尚子が

音楽の話をしていて、ブルックが歌った曲で

尚子が気に入った曲が有った事を

ブルックの話をすると、楽曲提供を

する話まで進んでいた。


シンディと千沙子たちは服の話をしていて

あぶれたキャシーは亮の脇に座った。

「亮、ご苦労様」

「いいえ」

「色々お金かかったみたいね」


「ええ、まあ」

「ライブにかかったお金はブルックが

デビューする時

プロモーションフィーで落とせるわよ。

そこのところはシビアにしなきゃ」


「わかりました、ロイと話します」

「それが良いわ」

キャシーは体を寄せた。

「キャシー、もう一度聞きます。どうして僕たちに

こんなにいい条件で話を持って来たんですか」


「それはもちろんあなたが気に入ったからよ」

キャシーは素直に自分の気持ちを話した。

「気に入るって?」

「ジャックっと一緒にあなたを見た時からよ」

「立った3日でどこの馬の骨かもしれない

日本人を気に入るんですか、

しかも敵だったし」


「確かに敵だったんだけど、その分あなたを注視

していたのよ。色々調べたし」

不動産業を営んでいるキャシーは

ジャックと違って慎重で調査能力は優れていた。


「東京大学薬学部を卒業後、ハーバード大学経済学部、

経営学MBA取得。ハーバード大学図書館事、

ニューヨーク少女殺人事件、

ボストン日本人女性殺人事件を解決

Summa・Cum・Laudeで卒業(上位5%)

の上位成績。

卒論は『●●●●●●●の研究

とそれによる世界経済の変化』


でもこれを発表するとあなたの生命にかかわる為に

教授会は発表を禁止してトップシークレットに

なって私も見る事できなかったわ


※芥子と大麻を食べる昆虫の研究は

 黒丸で消されていた。


それで、

『食物廃棄物のバイオガスの研究と経済効果』

を卒論にしたんだけどバイオガスの製造方法は

部分があまりにも専門的だったので経済学部の

教授はでは理解できずトップが取れなかった」


「何故それを知っているんですか?」

亮は今まで一番詳しい情報を持っている

キャシーに顔色が変わった。


「亮の卒論は出版の話が出ていて、もうすぐ

リライトの話が行くと思うわ。それともう1つは

当局が読んでいるらしいわ」


「そのリライトの話は学部長から連絡が有りました。

でももう1つの情報は公になっていないはずですけど」

「私は仕事柄アメリカ中の議員に寄付をしているし

優秀な大学にも寄付をしてコネクションがあるわ」


「凄いですね」

「それからあなたは卒業して帰国してまた

アメリカに戻って来た。ジャックとあなたを

見た時運命を感じたわ」

キャシーはスマフォに入っている

亮の学生時代の写真を見せた。


「でもあなたの卒業式の写真が無いのよ」

「はい、卒業式に出ていないんです。

忙しくて」

「なぜ?」

アメリカの大学では入学より卒業が難しいので

特にハーバード大学の卒業式に出ないという事

はあり得ない事だった。


「完全に秘密が漏洩している・・・」

亮は肩を落としていたが日本の情報が流れて

いない事にホッとした。


そこにやはりロイがやって来て

ロイの参入でキャシーとの話は中断され

そのまま、会食は終わって行った。


~~~~~~~

食事を終え亮もロイと握手をして約束をした。

「じゃあ、レコード会社買収の話

明日詳しく打ち合わせをしよう」

「はい」

タクシーはそれぞれ人を乗せて走って行くと

亮もタクシードアのノブに手をかけたその時

猛スピードで車が走って来た。


「危ない、亮!」

小妹が大声を上げた。

亮はそれに反応してその場に伏せると

その車は機関銃でタクシーを撃った。

「ド・ド・ド・ド」

低い音を鳴らして

タクシーの横っ腹に穴を開け

タクシーの窓ガラス飛び散り

インド人の運転手は頭から血が飛び散った。


「どうしたんだ?」

亮は目の前が真っ白になり

額に汗を流しながら物陰に隠れた。

「小妹、またジャック・チョウか?」


「違う、彼は絶対亮に手を出さない」

小妹は劉文明からジャック・チョウが王に

手を引くように言われた事を知っていたので

自信を持って断言をした。


「えっ?じゃあ誰が?」

車は急停止すると男がサブマシンガンを持って

降りてきた。倒れている人たちにそれを向けた。


「止めろ!」

亮は皮の袋に入ってる8方手裏剣を

右手に取って男の手に向投げて腕に刺さり

サブマシンガンを落させ

特殊警棒を伸ばして

特殊警棒で男の首筋を叩き倒した


同時に小妹も手裏剣を投げ男のサブマシンガンを落し

ジャンプし一人の男の顔を

蹴り体を返して後頭部を蹴り上げた。


「何!」

仲間の二人を倒された男はサブマシンガンを

亮に向けた。

「ぴゅっ」

風きり音が聞こえると男の腕

から血が噴き出ていた。

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