第21話亮への狙撃
「とにかく、明日プロデューサーの
サイモン・キャンベルが話したいそうです」
「えっ?サイモン・キャンベル」
ブルックが驚いて亮に聞きなおした
「サイモン・キャンベルってあの有名な?」
ジャネットが聞いた。
「そうみたいだね」
そこへ小妹が入ってきて
「お疲れ様」
ブルックとジャネットにハグをした
亮は小妹の耳元で囁いた。
「どうだった?」
「子分たちが外で見張っているわ」
「そうか、ジャックは?」
「女と一緒に帰ったわ」
亮はうなずいた
「小妹はブルックとジャネットを
スタッフの人と連れ出して」
「うん、亮は?」
「僕は先に出ます、ジャック・チョウは
僕と手を切らせたいでしょうから」
「わかった亮、気をつけてね、
用が済んだらすぐに行くから」
そこにブルックの電話が鳴ると
ブルックが恐る恐る電話に出た。
「あっ、パパ」
ブルックの顔が明るく微笑んでいた。
「亮、実はパパが私の歌を聴いたんだって。
パパのいるホテル行って来るわ」
父親と久しぶりに会えるブルックは喜んでいた。
「はい、その方が安心ですね。
でもジャック・チョウの事は
お父さんに・・・」
「はい、それは言えないわ」
「じゃあ、気をつけて」
「ありがとう。亮」
ブルックが亮に抱きつくとジャネットが
真剣な顔をして言った。
「亮、用が済んだら私の部屋に
来て大事な話があるの」
「えっ、はい分かりました」
亮はジャネットの顔が余りにも
真剣だったので心配になった
「亮、私達は?」
千沙子が亮に聞いた
「そのまま出ても大丈夫ですよ、後で連絡します」
「はい」
「ホテルは?」
「リザーブしてあるわ」
「了解」
~~~~~~~
「ジャック、男が出てきました。
他の連中はまだですがどうしますか?」
ジャックの部下が電話をした
「あの男だけでいい、言う事を聞かないなら殺せ!」
「はい」
部下は胸を手で触るとピストルを確認した。
亮は後からつけて来る男に気づき振り返らず
店のウインドウ、車のガラスの反射で後を確認した。
「今度は五人か・・・」
亮はシアターから出てきた人ごみの中を
早足で抜けて行きそれを追かけている五人は
人とぶつかりどんどん離れていった。
「日本人は人ごみの中を歩くのが上手いんだよ」
そこに小妹(シャオメイ)から電話があった。
「亮、みんなシアターから出たよ」
「了解、今五人に追けられている」
「あっ、大変すぐに向うわ」
「タイムズスクエアから北上している」
「了解、気をつけて」
亮はタイムズスクエアからセントラルパークへ
向ってひたすら歩くと目の前に車が乗り上げた
「何処まで逃げるつもりだ」
車のドアを開けた男達はそう言って
ピストルを向けた。
それを見た亮は方向を変えて走り出すと
「パーン、パーン」
と言う音が聞こえ
足元のコンクリートから火花が散った。
「撃ってきた!」
亮は路地に入るとビルの扉に身を隠して
インスリン銃を胸のポケットから取り出し
アドレナリン錠を飲んだ。
その時、亮の持っていた携帯電話が
何度か点滅を繰り返していた
五人の男達は手にピストルを持って
身を低くしてゆっくりと亮のところへ歩いてきた。
亮は扉の影から体を出しインスリン銃を2発発射した
そのスピードは目にも止まらぬスピードで男の首に
正確に当たり一人は倒れた。
「どうした?」
三人が倒れた一人の男に駆け寄ると
亮はもう一人の男に向かって
インスリン銃を1発撃つと襟元に当たり跳ね返った。
「ああ、厚手の部分はだめか・・」
亮は体を返しビルの壁を上がって
真横から男の顎を蹴り上げ
首筋にインスリン銃を撃って倒し
その隙に追ってくる三人の男から逃げ
路地の奥深くへ走った。
「くそ!」
三人はピストルを数発ずつ撃つと
亮を追いかけた。
ピストルを走りながら的に向かって当てるなど
映画の中だけで弾は上下左右に飛んでいく
亮は壁を駆け上がり後ろから来た男達の後ろにまわり
1人の男の腕を掴んで持ち上げ「バキ」
と言う音がちて男は腕を抑えて転げ回った
その間に亮は体を低くし
足首を掴んで内側に回しまわし倒すと
「ゴン」と音がして大腿骨を外した。
最後の1人のは両手ピストルを持ち亮に狙いを定めた
「おい、男でいたいなら大人しくしろ‼️」
「ふざけるな、そっちこそ大人しくしろ」
亮の上着には美喜が用意している
特殊警棒が常に入っている。
亮は男の方にジャンプし上着から
特殊警棒を出して伸ばし下から顎を突いた
その勢いで後ろに回って後頭部を殴り、
うつ伏せに倒し胸椎12を突いた。
「ぎゃー」
男の体は痛みでエビの様に反った。
「警告したぞ。もうエッチできない」
五人を倒した亮は大通りへ向かい
ビルの裏から飛び出すと
目の前に黒いバンが止まり男が三人出来て亮に
ピストルを向けた。
「ああ、来ちゃった!」
亮は観念して両手を挙げると
そのバンの後ろに黒いトラックが止まり
ライフル銃を構えた男が数人それから降りた
「フリーズ」
特殊装備で覆った男達は大きな声で怒鳴って
亮にピストルを突きつけていた男たちに
ライフルを向け
亮を追う三人の男にマシンガンを向けた
「間に合ってよかった」
後からきた車から美咲が降りた
「ありがとう、美咲さん。あれ何?」
「ESU(Emergency Service Unit,)よ」
「SWATじゃあないんだね」
「ニューヨークはESUなの」
六人は後に手錠をはめられパトカーに乗せられていった
「奥に二人倒れています」
「OK」
美咲はそばにいた警官に指示をした
「どうして僕の居場所が?」
「携帯の場所認識システムよ」
「あれ、僕の居場所わかっていたのか?」
「どうやらそのようね、うふふ」
亮は自分の行動が美咲に分かっていたと思うと
後ろからピストルで狙われるより冷や汗が出た。
「助かりました、美咲さん」
「まったく、亮は命知らずね。送っていくわ」
「ありがとう」
「ねえ、亮。男を倒した武器は何?」
「インスリン銃です」
「インスリン銃?」
「はい、弾にインスリンが入っていて
低血糖を起こして10分ほど動けなくなります」
「それいいなあ、殺さずに逮捕できるわね。
量産できるかしら?」
「服の厚い部分が跳ね返してしまうので
改良の余地があります」
「出来る?」
「はい、たぶん」
亮は自信を持って返事をした
「これをアメリカに売り込むわ。儲かるわよ」
「そんなのどうでも良いです、人が死ななければ」
「うふふ、良い人ね」
「亮こっちも、任務完了だわ」
小妹から電話がかかってきた
「どうした?」
「何言っているのよ、こっちにも
ジャック・チョウの子分がいたのよ」
小妹の周りは三人の男が倒れていた。
「小妹お疲れさま。ところで何処だ?」
「隣の通りにいるわ」
「了解、こっちは大丈夫だから
ブルックの方をガードしてくれ」
「はーい」
「ずいぶん機嫌が良いな小妹」
「あはは、久しぶりに思い切り敵を
殴ったから気分がいいの」
「了解、後で好きなもの買ってあげるよ」
「ありがとう」
小妹の声が明るかった
~~~~~~~~~~
「くそ!あの男殺してやる」
部下の逮捕の連絡が入ったジャック・チョウは
怒りピストルを持ってハドソン川沿いの高級住宅を出て
古びたビルが立ち並ぶチャイナタウンに向った。
そして公園の前に建つ真新しいビルにジャックが入っていくと
二人のガードマンが立っていてチョウは応接室に通され
ドアが開くと髭の老人が入ってきた。
「久しぶりだな。張」
「お久しぶりです。王大人」
「どうした?」
王は渋い顔をしてジャック・チョウに聞いた
「殺して欲しい男が居ます」
「ほう、お前の優秀な子分はどうした?」
「警察に捕まりました」
「どうした、また何かやばい事に手を出したか?」
「いいえ」
ジャック・チョウは自分の都合の良いように
ブルックの話をした。
「ほう、儲かりそうな話だな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます