第2話 夫の様子がおかしい
明さんは、見た目に気を遣うような人ではなかった。
彼の事は、高校生の頃から知っている。さわやかなスポーツ刈りであまり目立たないグループにいるクラスメイトだった。
ある日、私が担任から押し付けられたノート運びを仕方がなく運ぼうとした時、私の友達全員に断られ”薄情者ー!!”なんて冗談半分本気半分で言いながら仕方なしに一人でクラス全員分のノートを運ぼうとした時
「俺も手伝うよ。大変でしょ?」
「...え、うん。...ありがとう」
「どーいたしまして」
そんな明星君がいきなり手伝うと言って私が持とうとしたノートの3分の2持って職員室まで行ってくれた。
私はそんな彼に高校の時惚れたのだけれど、自分に自信が持てなくてそのまま卒業してしまった。
けど、運は私を見放してはいなくて大学の時に行った合コンで偶然、本当に!! 偶然!! 明星君と再会してもうこの機会を逃したら絶対だめだと思い私から話しかけてお付き合いまで発展させてこの度結婚できた.......というのに!!! 彼は仕事一筋で家に帰って来ない......。
最近、私の働いている駄菓子屋の常連のかずき君(小学生)とお友達になった。そのつながりでかずき君のお母さんである真奈美さんと仲良くなりカフェでお茶してお互い旦那の自慢話をした。
お互い旦那さんが忙しい人である事もあり、もっと自分を見てほしという欲から”浮気匂わせ計画”を考え、お互いの連絡先を真奈美さんの事を息子さんのかずきで登録し、私の事を夫の”あきら”でお互いの名前を登録した。
真奈美さんと会った日にメッセージが届くと思い、私が洗い物に立った時スマホをわざと画面を上にして明さんに見えるようにした。けど、通知を知らせる音が微かに聞こえスマホを取りに行き様子を覗ったのに全然気にした感じはなくて真奈美さんに報告しなきゃなんて考えていたけれど......。
明さんはオシャレを始めた。
最近、急に髪型が流行りの髪型になって服装もスーツとスウェットだけだったのが少しカジュアルな服装もいきなり始めていきなりオシャレに目覚め始めた。
.........夫が浮気してるかもしれない......。
私と付き合っている時も結婚している今もそんなにオシャレとかしてくれなかったのに......。性格で惚れてたのに......見た目もさわやかになって.........更にカッコよくなってもうどうしたらいいのかしら。
「どう思います?」
「...浮気...かな....」
ですよね。というしかない反応で私はどうしたらいいか分からなくなった。
「それになんか最近私の事すごく誉めて来るんです。」
「...それは...良くない?」
「嬉しいですよ?えぇ。.....でも、普段あまり言わない人だったから何かあるんじゃないかって......」
「なら、光さんも旦那さんに負けないくらいオシャレして旦那さんを喜ばせてみたら?」
確かに。今でも気にしてはいるけど、今の明さんの隣に立つにはもっと研究しなくてはいけない!!
だって、離婚してくれなんて言われたら私立ち直れないもの......
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