第3話 脱出の手立て

ジタン「な、何が起こった!」



ジタンは自分の装甲に何が起こったのかを確認する。

すると、レイの戦闘機がジタンの装甲の横に突っ込んでいた。



レイ「う、動いた!」

ジタン「ば、馬鹿な!こいつは動くはずは…」


ガキン!

再びジタンの走行に衝撃が走る。

すると、前方にいた戦闘機もジタンの装甲に突っ込んできていた。

たまらず、ジタンの装甲はしりもちをつく。



ジタン「くそっ!戦闘機ごときに!」


立ち上がろうとした際にジタンの装甲に通信が入る。


ジタン「何事だ!この忙しい…」

騎士「ジ、ジタン様!お助けを!きゅ、旧型が攻撃を仕掛けて部隊が壊滅…」



そこまで言うと、雑音と共に通信が途絶する。


ジタン「遺跡方面で何が…」

アルナ『レイ、いけますわね?』

レイ「た、多分!」


戦闘機の機関砲のような所から細かい弾が発射され、ジタンの装甲を攻撃する。


ジタン「くそっ!小賢しい攻撃を!」


あたり一帯が煙に包まれる。

煙の動きから、戦闘機が動いているのは確認できた。

煙が晴れた後に攻撃をしようと待ち構えていたが、現れたのは何もない空間だった。


ジタン「このジタン様を…コケにしやがって!クッソおおおおおお!」


ジタンの叫びが空間を木霊する。

まだ、追いつけるはずだと、素早く出口に向かっていく装甲。

案の定、出口付近で出られず、立ち往生している戦闘機2機を発見する。



レイ「追いつかれた!?」

アルナ『何故私のIDで開かないの!』

ジタン「残念ででしたな?お姫様」

アルナ『お兄様の差し金ですか…』

ジタン「御名答。おかしなことをせぬようにと、先ほどすぐにあなたのIDは使えなくしているんですよ?では、ゆっくりと叩き潰して差し上げましょうか…」



じりじりと近づく、ジタンの装甲。

後がない2機の戦闘機だったが、不意に通信が入る。


『今から扉を開く。開いたらすぐに天井近くに退避しろ』


アルナ『レイ、聞きましたね?』

レイ「で、でも…信用していいの?」

アルナ『私専用の通信回線を知っているということは…多分、仲間よ…』

ジタン「なんだぁ…。今度は反抗しないのか…つまらんなぁ…」


ジタンの装甲は剣を振り上げる。

その瞬間、不意に出口の扉が開く。

2機の戦闘機は天井ギリギリに移動すると、その瞬間を逃さず、外にいた装甲は腰部のレールガンを射出する。

肩の関節部分をとらえ、ジタンの装甲の両腕は宙を舞う。


ジタン「なっ!」


一瞬の出来事で、ジタンの思考は追いつかなかった。


アルナ『助かりました。貴方は…?』

『話は後だ、お前たちは今送る座標の所に向かって仲間たちと合流しろ』

レイ「あなたはどうするんです?」

『こいつを片付けたのち、少し拝借するものがあるからな。それを回収してから合流させてもらう』

アルナ『…思うところもありますが…。お気を付けて…』



2機の戦闘機は目標の座標に向かって飛んでいく。


『さて、覚悟はいいな?』

ジタン「ま、待て!俺は武器を持てないんだぞ?丸腰の敵を殺すのか?」

『先ほどまで、ほとんど戦闘力を持たない2人を殺そうとしていた奴の言うことか?』

ジタン「ま、まて!俺が王にとりなしてやろう!お前の強さならきっと…」

『興味はない…。言うとこがないなら終わりだな…』



ズダン!


再びレールガンを発射し、コックピット部を貫く。

動かなくなった、敵を確認すると旧式の装甲は城の内部に潜入していった。

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