第54話 初!クラスメイト登場!(リリーちゃん一味を除く)


 拝啓、前世の両親へ。人生相談ってされたことがありますか?私はありません。なぜなら相談されるような友達がいなかったからです。そこで教えていただきたいことがあります。相談に来るということは、自分の意見を後押ししてほしいと考えるべきでしょうか?それとも忖度なしのマジレスで否定し、そのうえで改善案を出すことでしょうか?私にはわかりません。前世で人付き合いをサボった罰でしょうか?これは

 


              敬具

              フルール・ヤマト・ジャポニカ


 

 「ィャッ、ィャッ…ぁっぁっぁ」


 深刻なエラーが発生しました…現在OSが起動してません。起動するためには、心的ストレスを解消してください。解除しない限り、OSMUZUKIは起動しません。


 「え…?フルール…そんなに嫌だったの?じゃあ意見を取り下げるようになんて言うとでも思った?ねぇ、ねぇ、思った?思っちゃったの?残念でした~メンタルよわよわ~ざぁ~こ♡」


 MESUGAKI!メスガキお嬢だと…あっ駄目d………ふぅ、危うく新しい扉を開きかけるとこだったぜ。だが私は百戦錬磨の戦士だ。私は対メスガキ訓練を受けてきたのだよ。そんじょそこらの似非メスガキにやられるようなタマじゃないよ。


 「私にメスガキは効かんぞ。それとマジでやなのでほんと勘弁してください。人からの人生相談なんて受けたことがありません」


 「なら最初からそう言えばいいのに、なんで会議が終わるまで発言しなかったのよ。」


 「ッスー…いや…あの…トラウマが刺激されて…」


 思い出すだけでも恐ろしい。あの恐怖を…文化祭の準備をほぼ一人でこなし、自分らはウェイウェイやっていたあの陽キャ集団の事を…そんでもって出来が悪いとケチつけてきた川野め…ぶっ殺してやる!いえ…あの…イキがってすいやせんした。


 「はぁ、まっ、もう決まっちゃったんだし、最後までやり切りなさいよ。」


 「はーい、ってことでお嬢。クラスで半ずつ手伝わないと作業終わらないですから…そのー話しやすい人だけ引き抜いてもらえませんか?」


 「…まあ、分かったわ。それじゃ、私が話しやすいと思った人をピックアップしていくからね。」


 「うっす。助かりやす。」




 ---------------------30分後-----------------------


 

 「私が話しやすいと思った人三銃士を連れてきたぞ。」


 「私が話しやすいと思った三銃士?」


 なんでお嬢がこのネタを知ってるんだ?あれは私達同族(ネット民)しか知らないはずのネタなのに。


 「聞き上手、レイファン伯爵家長女、マリー・レイファン」


 「あなたが皇女殿下ですの?よろしくお願いいたしますわ」


 「空気を読むのがうまい、ボルツァーノ子爵家次女、ナノア・ボルツァーノ」

  

 「どうぞ、よろしくお願いします。」


 「蓄える知識は学園随一、ヘンダーソン男爵家三男、ユリウス・ヘンダーソン」


 「あなたは私の知識欲を刺激してくれますか?」


 おい、最後変なの来たぞ。ソイツァちとヤバめな臭いがプンプンするぜぇ。


 「ちょっとお嬢、最後のなんかヤバそうなんですが(小声)」


 「大丈夫よ、知識欲さえ刺激できれば話しやすい人だから(小声)」


 「こほん、貴方達にはここにいるフルールの手伝いをしてもらうわ。人数に関しては、うちのクラスの出し物的に、向こうの方が主力になるだろうからこれ以上の人員は期待できないけど…貴君らの健闘を祈る」


 「えーっと、ここにいる5人で何とか間に合うでしょうか?」

 

 そうだそうだ!5人でやるなんて横暴だ!


 「この出し物に最低限必要なのは、看板、天幕、机、椅子2個だけよ。手作りする必要があるのは看板だけだから別に問題はないわ。時間が余ったら装飾を豪華にしていきましょう。」


 まさかの手抜き、その事実に私驚きを隠せない。


 「仮にも他国の皇女を看板にしているのに、この手抜き感はいささか問題になりそうな気がしますが…」


 そうだそうだ、いいこと言ったぞユリウス君。


 「大丈夫よ。大事なのは中身よ中身。きっと聡明で優しいフルール殿下(笑)が見かけなんて誰も気にしないような素晴らしい相談所にしてくれるわ。」


 いやっハードル高すぎィ!無理ぞ、わい他人から相談なんて受けたことないぞ…鈴を入れていいならあるけど…


 「そうですね、きっとフルール皇女殿下なら人生経験は沢山ある筈なので、相談も最適解を導いてあげられるでしょう。」


 ナノアちゃん!?なぜ君はそこそこまで私に期待しているのか?あとテメー絶対お嬢のサクラだろ。(作)サクラではありません。


 「…しょうがない、皆さん文化祭までよろしくお願いしますね。私も専門外の知識を聞かれた時のために色々と知識を蓄えるとしますか」


 「では、私のおすすめの本を紹介しましょうか?きっと皇女殿下のお役に立てると思います。」


 このためにあの変人を呼んだのか!?(作)ブランが呼んだ人員は他意はありません。マジの偶然です。


 「ええ、ありがとう。参考にさせてもらうわ。あとそれと私の事はフルールで構わないわ。」


 「いえ、皇女殿下にそれは…」


 「え?マリーちゃん何か問題あるの?…じゃあ皇女からの命令、皇女殿下呼び禁止。」


 「…ねえ、フルール。そもそも貴女は他国の貴族子息令嬢に命令権なんてないよ」


 こまけぇーことはいいんだよ!こまけぇーことは。

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