桜の精
「本日見頃ですよー!いらっしゃぁい」
花見客で賑う公園の入り口。
自分と同じ10歳位の女の子が、元気に声を張り上げている。
「楽しんでね」
すれ違いざまにそう笑いかけてくれた彼女に「ありがとう!」と手を振り返すと、母が驚いたようにこちらを見た。
「なぁに?独り言?」
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