【初恋】
ある日の朝、登校すると転校生という言葉とともに教室がざわめいていた
見なれぬ帽子をかぶりキツネ顔の君
何故だか胸の奥がひとつトクンと鳴り響く
教科書も体操着も僕らとは違う君
特に他の男子から人気が集中するわけでもなく地味で大人しい雰囲気の君
僕にはキラキラして見えたんだ
雨が降る日の朝の教室
今日も君が来るのを今か今かと待つ僕
色とりどりの傘が舞う校庭
窓から君の姿を探すがどこにもいない
最後の黄色い傘が消えても君が教室へ入ってくることはなかった
その日一日、僕の心は真っ暗だった
三日間学校を休み四日目に登校してきた君
他の女子に囲まれ雑談している君の笑顔で僕の心は一瞬にして明るくなった
それと同時に何故だか不思議と心が締め付けられた
まるで大蛇が心に強く巻きついたかのようにギューッと
これが初恋の淡い感覚
遠足で歩くとき隣の子と手をつなぐ決まりがあった
一度だけくじ引きで君と隣同士になり手をつないで歩いたっけ
あの時のドキドキが人が異性を好きになる合図
人生を共にする人に出会った時の合図もこれだよ
初恋は何もかもが初めての感覚なんだ
でも長くは続かないのも初恋の特徴
僕のクラス替えによって、あっさりと初恋が終わってしまった
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