鍵をかける時

銀色の鈍い輝きを帯びながら

ヘアーラインに飾られた丸く飛び出した小さな膨らみ

真ん中の1本の筋は光の届くことのない世界

その先に何があるのか私は知らない

何も見えない

何も聞こえない

鍵穴が囁くような音を立てながら

手で暖められた鍵を飲み込んでいく

底を突かれ捻られそして響く音

鍵と鍵穴

二つが一つになった後

必ず訪れる別れの言葉

行ってきます

誰も聞くことのない言葉を置いて

閉じた扉に背を向けて

私は今日という日に歩みだす


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