第95話 私達付き合う事になりました
すると少しして翔子から写真付きで返信が送られてきた為開いてみると『私達付き合う事になりました』という言葉と共に圭介と二人で食事をしている所を翔子が食事を一旦止めて圭介へともたれかかって撮ったのだろうと、そんな想像が容易にできるくらいには幸せそうな写真が添付されていた。
翔子からは『この三日間で圭介から彩音の事を忘れさせてやるわっ!! 見といてなっ!!』と息巻いていたのだが、まさか本当にやってのけてしまうとは思いもよらなかった。 しかもまだ三連休の一日目の夜である。
正直私は、自分で言うのもなんだが圭介は私にべた惚れで周囲が全く見えていない為この三日間でどうこうするのは無理だと思っていたので、あんまり期待はしていなかったのだが蓋を開けてみれば二人は付き合うというではないか。
その事からも圭介もようやっと目を覚まして、身近にこんなにも圭介の事を想ってくれる女性に気付いたからだと信じたい。
もし女たらしで実は異性にだらしないというだけであるのならば、翔子の性格上想像するのも恐ろしい制裁が待っていそうなので、異性に対しては堅実であってほしいと願うばかりである。
それに、翔子から『実は今まで圭介の事が好きやってん。 でも彩音と圭介は両想いだと思っとったからこの感情は隠してきてん』とも三連休前に打ち明けられた時は二人して大号泣したものである。
いままで親友を苦しめていたという事もそうなのだが、親友がその事で苦しんでいる事にすら今まで気付けなかった自分が本当に情けなく思えた。
こんなんだから祐也さんの事も最悪な態度と勘違いをしてしまったのだろう。
しかしながら、この写真を見るに翔子は圭介に想いを伝えて、圭介は翔子の想いに答えたという事なのだろう。
その事を考えると私にはできない事をこうも簡単にやってのける翔子はやっぱり凄いなぁ、と思ってしまう。
私なんか自分の想いを伝えるだけで精いっぱいで、祐也さんの答えを聞く前に逃げ出してしまったのだから。
ただ、この写真のお陰で勇気を貰えたのも事実であり、まるで翔子から『ウチは頑張ったでっ!! 次は彩音の番やっ!!』と背中を押されているような感じがして心強いなとも思う。
まだ連休中は始まったばかり、私の想いはもう既に伝えているのだからここからは開き直って攻めて攻めて攻めまくってやると心に誓う。
今までは『私の気持ちがバレるのは恥ずかしい。 でも私の気持ちに感付いて欲しい。 そして相手からアクションを起こしてほしい』と完全に受け身だったのだが、私が祐也さんを好きだとバレてしまっているのだから今さら恥ずかしいだなんて言ってられい。
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