第40話 旧魔王軍の日常
???saido
「失敗したのか....」
「いえ、実験としては成功です。ただ、傀儡にした村の妖精達が丸ごと消えたのは残念ですが。」
「確かにな....でもなぜ消えたのだ?貴様の配下が妖精達を乗っ取っていた筈じゃないのか?報告にはそう書かれているが」
ギッシリと文字が書かれた数枚の報告書をめくる魔王代理
「またあの騎士の一人に邪魔されました」(主人公のことは信じてもらえなさそうだから言ってない)
「またかよ」
「草」
「ええい静かにしろ!あと草生やすな!」
今注意しているのは旧魔王軍第一席イフリート通称怒り燃えるイフリートと呼ばれる旧魔王軍大幹部。まとも枠だが、好物の唐揚げにレモン汁をかけると怒りに呑まれて周囲を破壊するので悪ふざけでもイフリートの唐揚げにレモン汁をかけるのは死を意味する.....とかしないとか
「なぁ、さっきから気になってたんだが.....」
地味メガネ枠の妖魔種の旧魔王軍幹部フォルケストラは
「「「「?」」」」
「ロボの野郎は来てないのか?あいつに限って会議に遅れることなんてあり得ないないと思うんだが...」
「........」
「確かにな。あいつにしては珍しい....」
「それについてはこの私、えーと.....昨日ロボ様の部下から通信が来てですね.....」
ロボ推し故にロボの事を様付けで呼んでいる死徒系吸血鬼種の一人、血のルリナ
死徒とは後天的に吸血種になった物を指す言葉で能力は元の種族由来の能力が変化することが多い
「なんだ?なにかあったのか?」
「死んじゃいました」
その一言で会議室の空気が凍り付くような感覚を覚える。
「「「え?」」」
まさかそんな筈は...と一部の幹部から声が上がるが報告を受けた幹部の一人、死神種の魔族、エル・プルートが手元に置いていた報告書を読み始める
「いやですね。あの人、魔銃には物凄く弱かったじゃないですか...」
魔銃、マスケット銃の形をした魔力のこもった銃の総称、多くの魔銃には能力があり、その能力は多岐にわたる。そして能力には前の使用者の固有魔法が能力になる場合は多くこれはただのマスケット銃だったものが使用者の固有魔法を魔弾として打ち出すうちに能力として定着したものだという。
「あー確かに魔銃の類を使ってた勇者の仲間にボコボコにされてた事あったなぁ」
「報告書には、特級魔銃、魔弾の射手に撃たれて村の近くで死亡したそうです。」
「特級魔銃、魔弾の射手の能力は確か必ず殺すみたいな奴だっけか....しかもブラックドック種特攻が入るやつだったようなぁ....」
魔銃には階級があり、下から四級、三級、準二級、二級、一級、そして特級
「そういえば、その魔銃、所在不明じゃなかったっけ?私も特級魔銃持ってるけど」
というのも魔銃の中には所有者がいるものと所在が分からなくなり、どこにあるのか、どんな能力があるのかわからないものが多々あるが大抵は誰かが持っているので所在不明はあってないものなのだが。ちなみに一兵士が持っていた理由は勝手に持ち出したからだそうだ。そしてロボを撃った兵士はロボの側近のブラックドックに殺されたそうだ。南無阿弥陀仏
「」
「そうそう、あと一つ報告があって、第九位が見つかったそうだよ」
第九位....蚕妖精のこと
「ほう?そうか....それじゃあ〇〇◯に調べてもらおうか....」
あぁ....本当に....楽しみだ.....
つづく
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