名古屋
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ここから名古屋まではちょっと長いが、列車に揺られて車窓を眺めていると、うつらうつらしてくるから、遅めの昼寝に丁度いい。
名古屋に着いたら、ひつまぶし(暇つぶしじゃないぞ!)の夕食だ。青春18きっぷで旅費を節約した分、豪華な食事を堪能しよう。ライトアップされた名古屋城もきれいだぞ。
15:35 奈良井
|JR中央本線
17:18 中津川
17:35 中津川
|JR中央本線
18:57 名古屋
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ちょっと長い? 乗り換え時間を入れて3時間22分って、新幹線で東京から大阪に行くよりも長いだろう! 乗客が少なくて二人用のクロスシートを占有できているからいいけど、もし隣に乗客がいたら相当苦痛に違いない。雄大な景色も、さすがに飽きてきた。
いったい、どうやって時間を潰そうと思っていたが、歩き疲れていたためか、うつらうつらしている間に中津川に着いた。ずっと座っていた態勢で体が固まっているが、座席が良かったせいか思ったよりも疲労は少ない。飛行機のエコノミー席よりはずっと快適だ。
中津川駅は今までの無人駅と違い、駅員のいるコンクリート建築の普通の駅だ。なじみの都会の光景にほっとするのは東京人の習性か。
中津川で乗り換えた名古屋行の電車は、ワンマンカーでなく普通の列車だ。ボックスシートとロングシートが車両によって混在しており、迷わずクロスシートの席を選ぶ。名古屋に近くなれば混んでくるだろうが、それまでは快適だ。
名古屋に着いたら、ひつまぶしを食べてライトアップされた名古屋城を見るか。でも、名古屋駅から名古屋城に戻るのは面倒だ。途中で降りて名古屋城を見てから夕食にしよう。名古屋城は普段は夕方には閉まってしまうが、桜の時期は特別に夜間も公開されている。
スマホで調べると大曾根駅で降りて、地下鉄に乗り換えれば名古屋城に行ける。ルートを自由に変えられるのは『青春18きっぷ』の便利なところだ。昔だったら、ルート決めは時刻表相手に手作業でたいへんだったろうけれど、ネットで簡単に経路検索できるようになったこと、それもスマホを使うことで旅行中でも自由自在にルート変更できるようになったことで、『青春18きっぷ』はさらに人気となっているのだろう。
スマホで調べたとおり大曾根駅でJR線を降りると、数時間前までいた奈良井駅と違い人混みが凄い。地下鉄に乗り換えて市役所駅で降りると、名古屋城は目の前だ。金シャチ横丁を通り、名古屋城へと堀にかかっている橋を渡り、名古屋城の東門をくぐろうとしたとき、あることが私を驚かせた。
名古屋城って城内に入るだけでも有料なんだ。
ちょっと、意外だった。他の城は天守閣に登るのは有料だけど、城内は自由に入れる公園になっているところが多いと思う。俗に大阪人はケチで名古屋人は金払いが良いと言うが、こういうところでも気前よく払うのか。
郷に入っては郷に従え。私は入場料をSuicaで払って城内に入った。少し歩くとライトアップされた名古屋城が見えてくる。サーチライトに照らされて城のてっぺんで燦然と輝くのは、名古屋人の誇る”金のしゃちほこ”だ。ライトアップされた桜といっしょに写真を撮る。最近のスマホのカメラの夜間撮影は優秀で、バッチリと綺麗な写真が撮れた。
桜祭りの行われている城内には、大人向けの日本酒の飲み比べセットや地ビールから、子どもでも食べられるお団子まで、たくさんの店が出店しており、家族ずれや若い人たちでいっぱいだ。これから夕食なのでどうしようかとも思ったが、せっかく来たのだからと、私もみたらし団子を一本だけ買って食べた。
本丸の周りを一周して帰りは正門から出たが、土地勘がなく迷ってしまった。近くに名古屋駅まで行くバス停があるはずなのだが見つからず、しばらく歩くと地下鉄の”丸の内”駅が見つかり、地下鉄で名古屋駅へと移動した。
夕食は名古屋名物のひつまぶしだ。”あいつ”がわざわざ「暇つぶしじゃないぞ」と書くからには、きっと間違えて注文して大恥でもかいたことがあるに違いない。一人旅だと高級店の本店は敷居が高いので、駅ナカの地下街にある支店を選んだ。京都でも有名な和菓子屋さんの本店は混んでいたが、デパート内の支店は空いており、雰囲気は違っても味は同じなので(たぶん)、細かいことを気にしない人には支店は向いている。
店内のテーブルにはひつまぶしの食べ方も書いてある。
◇一杯目は普通に
◇二杯目は薬味をかけて
◇三杯目は薬味とお出汁をかけて
普通のうな丼もおいしいけれど、味変を楽しんで食べるのも面白い。
白いご飯の上に一口大に斬られたウナギの載ったお櫃と、薬味、お出汁の載ったお盆が運ばれてきた。私はひつまぶしの食べ方に従って料理を口に運ぶ。
◇一杯目は普通に
小さな茶碗にお櫃から、ひつまぶしをよそう。焼いたウナギのこうばしい香りと食感が、炊き立てのご飯を引き立てる。ほっぺたが落ちそうになるぐらいおいしい。
◇二杯目は薬味をかけて
おー、うなぎの生臭さが完全に消える。一杯目も普段食べる安いウナギと違って、ほとんど生臭さは感じなかったが、薬味を添えることでわずかに残った魚臭さが無くなり、ウナギの脂のしつこさも消え、純粋な美味しさだけが口の中に広がる。
◇三杯目は薬味とお出汁をかけて
お出汁のわずかな塩分と甘さが、胃袋をやさしく満たす。高級な出汁茶漬けだ。
三杯といっても茶碗が小さいので、ほどよい量だ。お櫃の中に茶碗に半分ほど残ったひつまぶしは、二杯目の方法で食べて完食した。私的には、薬味をかけて食べるのが一番おいしかった。
初日を満喫し、予約していたホテルへと向かう。今日は朝が早かったから、早めに寝てしっかりと休んで、明日に備えよう。
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