第7話 出会い⑦
リュウと若い女の子の店員は近くの交番で事の経緯を話した。
「まあ、あの男はこの間、別のところでも暴れとる奴やし、君らの話もわかったからもう帰ってええよ。」
交番で1時間ほど話をしたところでリュウと女の子は警官から帰るのを許された。
交番を出たところで、じゃあとリュウが片手をあげて別れようとした。すると店員の女の子は体を小さくして頭を下げた。
「今日はすみませんでした。助けていただいた上に用があるのに警察にまで来ていただいて。本当にごめんなさい。」
「そんなこと全然かまへんよ。それより、もうアイツ、店には来えへんやろ。良かったな。バイト、頑張ってな。」
リュウは女の子に微笑んだ。
「またコーヒー飲みに行くわ。」
「今度お店にいらした時はコーヒーごちそうさせていただきますね。」
「気にせんでもええねんで。でもまあ楽しみにしとくわ。」
白い歯を見せると片手を上げ、リュウは交番の前で店員の女の子と別れた。
リュウは早足で勤務先のキップスに向かった。店内に入るとすでに見知った顔がいくつもあった。
「ねえ、リュウ。こっちこっち。」
「ゴメン、今、店長に呼ばれてるんで、後で。」
ホールでは至るところで常連さん達が声をかけてくる。とびきりの営業スマイルで軽く会釈するとリュウは事務室に急いだ。
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