あるオンナの33の鬱憤

1、海に行きたい

  たまにはどっか行きたい、海とか。


勇気を振り絞って言ってみたのに

パソコンの前で課題にうんうん唸っていたヤツは知らんぷりだ


  海に行きたい。


もっかい大きな声で言ってみた


  行けば?


背中を向けたままのそっけない返事

と思ったら


  あ、でもいいかもな。水着のオンナノコ見放題。


きししとヤラシイ笑いを浮かべてヤツはようやく振り向いた


  おまえもエロいの着ろよ。


こういうオトコだよ 知ってたけど

私はそっぽを向いてこてんとベッドに寝そべった

もう知らん こんなヤツ


カタカタとキーボードを操作する音がよどみなく

それを耳にしながら目が熱くなって涙がにじんだ


ないがしろにされた悔しさ

私はなんでこんな男とつきあってんだっていう情けなさ


自己評価の依存

だけど価値なんてない

惰性の果ての虚しさ


もともと物なんかそれほど置いてないけど

明日の朝 私の物は全部持って帰ろう

そう思った

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