第12話 女の子を拾う!?
「暇〜」
帰り道で胡桃が「用事を思い出した」と言ってどこか行ってしまったし舞さんは仕事だからすることがない。
俺はベットでゴロゴロしているが漫画もなければ見たい番組もない。
「⋯…そうだ!家に戻ってゲーム機持ってこよ」
そう思って家に帰ったのだが—
「くしゅ、やっぱり5月の夜は地味に寒い」
「⋯⋯⋯」
ゲーム機持って椎名家に帰る時、昼間の決勝で俺に惨敗した挙句卑怯者呼ばわりした女の子に会った。
しかも路灯の下で俺があげたぬいぐるみ抱えたまましゃがんでるのが結構絵になってる。
無視しようとしたがこんな時間に可愛い女の子(俺的には)が出歩いてたら間違いなく変な奴に声かけられるだろう。
心配だから声をかけることにした。
「何してんすか」
「⋯…⋯」
俺の声が聞こえなかったのだろうか返事が返って来ない。
「あの—」
もう一度声をかけようとした所ようやく俺の存在を認識したのかこちらに振り向くが—
「——!?」
やっと認識されたかと思うとサササーと後ろに下がって距離を取られた。
そして彼女はハッと目を見開いたあと訝しげに話してきた。
「ま、まさかこれがお母さんが言ってた夜女の子に声をかけてくる怪しい人!?」
「誰が変質者だこらぁ」
昼間のおどおどした様子とはちょっと変わったので思わずツッコんでしまった。
「あ、昼間の—」
ようやく俺を思い出したのだろうか俺の名を呼ぼうとする。
けれども俺は自分の名前を教えてないから当然本名は呼べない。しかし彼女は迷わず俺を呼んだ—
「昼間の卑怯者」と。
「いやもうぬいぐるみはあげただろうがぁいつまで根に持ってんねん」
思わず変な方言が出た。
「っていうかなんでこんな時間にまだ帰ってないんだ君は」
ようやく本題に移ろうとするが。
「君じゃない、
どうやら自己紹介が先だったらしい。
「ええと俺は和樹良太、田所さんよろしく」
「うん!」
名前を呼ぶと満足そうに喜ぶ。初々しくて可愛いなぁ。
「それで田所さんはどうしてここにいるの?」
それを聞くと彼女は顔をうつ伏せて真剣な空気になって言った。
「鍵無くした」
———
「どうぞ入ってー(俺の家じゃないけど)」
そのあと流石に放っておくままにするのは危ないし風邪ひいても困るのでひとまず椎名家に上がらせたんだが—
「あれ、まだ誰も帰ってきてない」
俺が零した独り言を拾った田所さんは—
「ま、まさか本当はこれを知って!?」
胸を抑えながら距離を取ってくる。
「結構ダメージでかいから冗談でもやめて」
「はい」
注意するとシュンと肩を落とす。この子いちいち仕草が可愛いなぁ。
「そういえば、ゲーム機持ってきたから一緒に
しない?」
「一緒にシない!?」
「おい紛らわしい言い方やめろ。オンラインゲームをだよ」
「なるほどー、するぅ!!」
なんだか昼間会った時と印象が全然違うな。
どうも毎度お馴染みタヤヒシです。
まぁ書きたいことを書いていくスタイルなので誰にも我は止めれぬ。えっへん(ドヤァ
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