さん十さんコトノハ詩集。―33のお題に沿って―

泡沫 希生

1、海に行きたい


      嫌なことだらけ、嫌な気持ちだらけ、

      疲れきって何かするたびに息を吐く、


           嫌なこと、消えてしまえ、

              全部消えてしまえ、

        

        願っても願っても消えないから、


        自分ではもうどうしようもない、



               だから、どうか、

                   なにか、

        遠くへ連れていってくれないか、


     現実逃避? たまにはいいじゃないか、


        この身は逃げれそうにないから、

      心だけでも現実から逃してやりたい、

      心だけでも遠くへ連れていってくれ、



                海に行きたい、

               波間に立ちたい、

              心を波に託すんだ、


         波よ、心を攫っていってくれ、

         どこか遠くに連れて行け、と。






まあ、その海にでさえ、

現実の私は辿り着けそうにないから、


嫌なことに苛まれながら、

仕事の山に溺れながら、

海を夢想現実逃避しているわけだけど。



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