45.言い訳
炎天の下、生を全うするが如く、運命に抗いながら蝉が今日も鳴いていた。
ここまで書いて、ペンを置く。
俺を踏み台にして楽しい? そう蝉に言われているような気がしたからだ。
俺は内心で弁明する。いや、これはその……。儚いとか、短命とか、そういう象徴表現としてね、使われる常套手段というか。別に、イジってるわけじゃないよ。ほら、春だったら、「桜」がそれに当たるわけだし。
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