12.無人島生活

「まさか俺たちが生き残っちまうとはな。なあ、なおと?」


「えっと……。この姿を見てもまだ、なおとって言える?」


 もさもさ、と青く茂った顔を草陰から覗かせる。そいつは、怪物と言っても差し支えないくらいの植物人間と化していた。


「まぁまぁ、そう言いなさんな。お前の自給自足能力のおかげで食いつないでいけてるんだから。俺はお前に感謝してるぜ」


 この島に漂着してから、きょうで十七日目の朝を迎える。この島で、動植物の栄養となる有機物の体内合成に成功したのは、なおとだけだった。

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