第二弾33の詩!33個の言葉を使って詩を書こう!自主企画のやつ自分でもやってみるなり!

七山月子

第1話 海に行きたい

昔行った海で穴を掘っていた

波打ち際でただ何事をするでもなく穴をね

僕の手や腕に絡まってほどけない泥の底から

何か大きくて狂った怪獣なんかが出てくると

幼い頃は信じていたんだ

怖くてだけど穴を掘らずにいられなかった

とても恐ろしい気持ちで穴をただひたすら

そんな幼い頃の遠い海の記憶は僕をたまにばくりと食べてしまう

だから今でも海に行きたいと

君を連れていても誰彼と一緒にいても街中でお酒を嗜んでいてもさ

海に行きたいと強く思うのさ

気がおかしいねほんと

たぶん夜中じゅう喚くこともなく静かに僕は穴を掘るだろうよ

海に行きたい海に、海に行きたいんだ

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