第60話 兎狩り
次の日、今日は兎狩りもとい兎捕獲の日である。メンバーはレイ、カルア、ナイン、護衛のサイツァーさんである。残りのみんなは日課の消化だ。アンナが来たがったが今回は危険だということでかなり説得した。とだけ言っておこう。
城門を出ると兵士の方が案内してくれることとなった。どうやら西の方角に向かうらしい。ゴブリンのことが頭をよぎったが、完成したということは安全なのだろうと納得した。到着するとそこは研究区画の川を挟んだ反対側であった。だが、規模がまるで違う。研究区画が10個丸ごと入りそうだ。ちなみに言うと研究区画にはホーンラビットが6匹、子供の兎が2匹いる。
このような巨大な区画を管理できるのか不安になったがセバス様のことだ。なんとかするのであろう。この牧場から森の方へ進むと、多くのホーンラビットが集まっていた。それはあたり一面に、来ル実が撒かれていたからだ。レイとナインは端から順に結界でホーンラビットを固定していく。それを兵士の皆さんが角を切り落とし、牧場の中に入れていく。その間にも散発的にゴブリンがちょっかいを出してきたが、兵士の方に倒されていた。
牧場の巡回の兵士が言う
「今日はゴブリンの数が多いですね」
「いつもはどのくらい来るものなのですか?」
レイが質問する。
「多くて日に10匹程度ですよ。今日はすでに10匹以上来ています。来ル実の影響ですかね?」
そう言った話をしながら昼食を取り、午後の作業に入ろうとした時、西の方角から30匹程度のゴブリンがこちらに向かってきた。レイ達は急いで牧場の中へ避難する。牧場の壁は石壁であり、そこで籠城戦をしようとしたのだ。ゴブリンはこちらに突撃してくる。ホーンラビットには目もくれずにだ。なにか様子がおかしいと感じたレイはゴブリンを鑑定した。
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ゴブリン
・状態:興奮
・サルの魔物。道具を扱う知能がある。
仲間意識、繁殖力が強く、群れを作る。
・食用:不可
・素材:魔石(心臓)
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なぜ、興奮状態なんだ。繁殖期か?とレイは思ったがそれならこちらに向かってくる理由がない。この世界のゴブリンは異種交配しない。つまり、このゴブリン達は人間に怒っているのだと判断した。そんなことが分かってもやることは変わらない。カルアとナインは石壁の上から魔法を展開した。ものの3分程度でゴブリンの群れは壊滅したのであった。
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残金:大銅貨88枚 銅貨303
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