憧れ
あゝ、憧れとは美しく麗しく、それでいて哀しい
いつか夢見た夜の花も
いつか触れ合った首筋も
過ぎ去った時を響く声の
なんと美しいことか
年毎に身を刻む春の風も
日毎に積もる名残りの雪も
訪れる時を夢む心の
なんと麗しいことか
未だに忘られぬ面影も
部屋に染み付く煙草の香も
部屋の隅に埋もれるこの身の
なんと哀しいことか
あゝ、憧れとは美しく麗しく、それでいて哀しい…
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