星の島

 題は答えを示していなかった。

 コンパスというコンパスは我が為に機能しないと言っているようなものだった。

 溺れたり浮かんだりしながら人間の姿のまま、打ち上げられた。

 星の島、星を見る島に。


「………祈る、為だけに?」


「はい」


 その星を観測する島にいた女は答えた。

 観測は意味をなしていなかった。高度なコンピュータは全部祈る為の星を見つける為や星辰だけを見るためだけに使われていた。


 中身がない偶像のような島だった。

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