第14話 高配当投信に安いのが出たらしい

 SBIがオルカンの高配当でかなり低い信託報酬の投信を出しています。

 【スマートベータ・世界高配当株式(分配重視型)】

 

 信託報酬が0.055%(税込)。

 これでも買いませんけどね。



 eMAXIS Slimのオルカンの信託報酬が


 0.05775%(税込)


 なのでほぼ変わりませんね。



 金融の常識(一般の非常識)からするとわりと革命的だと思うのです。

 今までインデックスファンドが最大公約数的な意味で良いとされてきた理由が信託報酬の安さにありました。


 なんらかの方法で投資対象を限定するアクティブファンドはほとんどが市場平均に敗北している理由が、高すぎる信託報酬のためでした。


 一応この論法には大事な前提があって、それは事前に上がる株を見分けることは誰にもできないということです。

 上がる株を事前には見分けることができないにもかかわらず調査費用とかプロの目利きとか称して高い信託報酬を正当化しているからアクティブはだめだ、ということです。


 ならば、信託報酬が安ければどうか。

 事前に見分けることはできないけど費用は安いんだったらまぐれ当たりを狙ったアクティブ運用にかけるのも分が悪くない、という考えも出てきそうですね。



◇◇◇



 じゃあ気になるのが、なんでこんな安くできたの? というところです。


・実はいままでもその水準でやろうと思えばできたけど、素人を騙して高い報酬をせしめていた

・銘柄の選定をプログラムに落とし込むことに成功し、人力で選ばないからその分の費用が浮いて十分ペイする見込みがたった(銘柄選定AIとかが実用レベルになったとか)

・SBIがちょっと無理して市場の確保を優先した(他での収益確保手段を構えた上で手数料無料化みたいに他社が追随することを見越して消耗戦に巻き込む)


 といった感じでしょうか。



 アクティブ型の低信託報酬はそのうちどこかがやる、と思ってましたけどやっぱりSBIでしたね。



◇◇◇



 私は、アクティブ型はインデックス(パッシブ)型より信託報酬が低くないとおかしい、というか買いたくない、と思っています。


 これも事前に株の値動きを予測することは誰にもできない、という前提にたった上での話ですが、事前に上がるものがわからないのにアクティブ型はわざわざ銘柄を絞るのだから、全部買っといてその中のどれかが爆上がりして他の小さなマイナスを打ち消す、というインデックス型より儲けの期待値は少ないはずです。


 期待値の低い商品は、安くなければ買わない、というのが普通なのではないか、と思うのです。



◇◇◇



 なのでアクティブ型を買うとしたら、インデックス型の1/10くらいの信託報酬になったら、でしょうか。

 そして、そういうアクティブ型を分散してたくさん買ってどれかがまぐれ当たりするのを待つでしょう。


 ただし、この方法に優位性があるかどうかは検証できないしまだそんな商品がそもそもないので夢物語で終わりそうです。

 

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