共感と好感 CRIMINAL MIND 史上最大の敵 史上最大の敵再び他

共感と好感 CRIMINAL MIND 史上最大の敵 史上最大の敵再び他



 上手く書けるかな?

 好感、共感。どちらかがないと小説が読めないか? 小説だけじゃありませんが。いろんな媒体で。

 小説で思い出そうとしたんだけど、適切な例を思い出せない。「モンテ・クリスト伯」ならとりあえずエドモンに共感と好意は持って読んでいたはずですが。フランステレビドラマのパルデュー版ではなぜかベルトゥッチオが気になって見ていました。で、彼の存在は途中で消えた。執事が途中で消えてどうする! そのせいで嫌な気分のままラストまで。案の定、自分を裏切った昔の女とよりを戻す。昔アメリカで製作された映画もそうだった。で、嫌な気分になったのよ。なぜエデの存在を無視するのか。歳の差なのか? そこがネックなのか?

 犯人に同情共感して周囲にモヤモヤするのが横溝正史さんの「悪魔が来たりて笛を吹く」のコミカライズや映画かなぁ。原作は読んでいないので。他の小説は時々雰囲気だけでっていうのもあるかなぁ。元に戻って。これも有名な作品だから今さらだろうけど。犯人の境遇に同情しないひといる? って思ったね。例え犯人だとしても、個人的には死なずに逃げ延びてほしかった。尤も、ね。恋人の死で生きる気力なんかないから、死ぬんじゃない! って意見の方が彼にはむごいことなんだけど。諸悪の根元、彼の実の両親に少しの罪の意識もないことがこちらの同情心に油を注いでくれます。犯人の実の母親の夫も色々可哀想ですが。父親違いの兄弟には親の仇になるんだけど、だれひとり彼に同情しないのもまた。それがモヤモヤの正体で映画版を見るきっかけなんですが。鶴太郎さんだったか西田敏行さんだったかが金田一耕介役だったはず? ともあれ。これは最後いや、最期で母親が後悔していましたがそれだけ。う~ん。犯人に共感しない? 切なくない? 可哀想じゃない? 私的には彼の復讐は当然だろうと思うんだけどなぁ。それで言うなら「本陣殺人事件」は共感も好感もない。男のひとなら共感できるのか? この犯人にはどうもただの身勝手としか。そういえばこれ中尾彬さんが金田一役の映画がありまして、ジーパン姿という耕介さんを楽しめます。つい最近見ましたとも。

 思い出しましたが。島田荘司さんの「占星術殺人事件」は最初のパートが辛くて読めなくて処分しては買い直して三回目で最後まで読みきった記憶が。共感もへったくれもないパートが最初にドンとあるので取っつきが悪かったのよね。だとすると、私は共感の方に比重が寄っているのかな? 同じ作者さんの「臥竜亭~」は好きなキャラがメインだけど最後まで読むのに何度も別の小説を挟んだし。さて。悩む。

 共感と好感となると。

「金田一少年の事件簿」の高遠遥一くんか。けっこうネタにされたりするキャラですが。「37歳」だと死刑囚ですが。いつの間にやら天性の殺人者にされた彼、便利に使われている感がなきにしもあらずです。今でも好きです。ただ、今の白い長髪は苦手。黒い短髪が高遠くんだと思うんだ。「37歳」は今頓挫していますけどね。やっぱり金田一くんは少年じゃないと! ともあれ彼が出ている話は外せない。他はノれなくてもね。初登場の彼自身の復讐の時から、彼は悲しみよりも怒りにつき動かされていましたが、それが彼のスタンスなのかも知れないなと思わなくもない。で、それを悲しんでいる? だから、悲しみにかられる大切なひとを失った誰かの悲しみを感じて復讐の追体験でバランスを取ろうとしている?ーーーっていうのは夢見すぎか。その手段が手段なので完遂できなくていつまでも満たされないーーーとか。個人的にはあれは彼なりの正義だったりって思いたい。


 このへんで、タイトルに。

 前置きが長過ぎ。

 勧められて見始めた"CRIMINAL MIND"。最終シーズンは好きなキャラの一人がいないしこれで終わりは寂しいしで最初のDVDを見ただけで置いています。因に好きなキャラは、BAUのペネロペと同じくデレクのふたり。彼らの掛け合いが好きでね~。関係性も好き。

 有名な作品なので説明は今さらだろうからさわりだけさらっと。FBIのプロファイラーチームが凶悪殺人事件を解決するアメリカ版刑事物だよね。さすがアメリカ、チーム専用ジェット機で移動するよ! アメリカ全土をフォローするからねぇ仕方ない。

 犯罪ものというか刑事物だから、いろんな殺人者が出ます。殺人犯オンリーです。season1はちょっと記憶が薄いですが。拷問で殺すとか、精神が壊れてとか、色々色々。殺人犯が自分をわかってくれるとか感じても仕方がない、彼を捕まえるために彼のことを常に考えているのだからーーーって。そんな全シーズン中好きな話が二話あります。大好きなの。それがseason2の「史上最大の敵」とseason4の「史上最大の敵再び」。ネタバレになるけどいろんな意味で大丈夫かな? 

 四十何人も殺してきたシリアルキラーと被害者になりかけた女性の恋愛もの! 誰がなんといっても恋愛ものですとも。ふたりとも中年だけどそんなことは問題じゃない。

 ケタミンとかなんとかっていう薬を使って身体を切断されて死ぬ恐怖を味わわせて殺すシリアルキラー。被害者の目を見るのがいいらしい。そんな彼が逃がしたジェーン。今まさに切断されるだろう時に手術台の上で彼の目を見て「きれい」と口にしたことで、衝撃を与えたらしい。嫌な一目惚れシーンだけどね。薬の影響でジェーンは自分はUFOに拐われかけたと信じている。で、地域で変わり者のジェーンとか呼ばれる存在に。元弁護士らしいんだけどね。ほぼ意味はない設定になっている。そんな彼女の元に定期的に届けられるウィンドベル。これ、材料が人骨。知らないので家の庇にぶら下げてる。使ってる笛まで人骨。もちろんシリアルキラーのプレゼント。

 個人的にですが、なぜひとを殺すのに躊躇しないのに告白するまで数十年もかかるんだろうとは思う。それだけのためにスクールバス(生徒います)を人質にするとか、やり方は歪んでる。やっぱり感覚が違うんだなぁって思うんだ。

 常に錯乱してるようなジェーンは一目惚れしてしまった相手に求められたことでより一層錯乱したようになって二人手に手を取って逃避行。要するにお花畑になったのね。

 なぜか、このジェーンの狂気がかわいく見えて共感してしまったのね。

 で、BAUに正体を晒してもジェーンが欲しいとスクールバスとの交換を持ちかけるシリアルキラーをかわいいと思ってしまった自分がいます。ここまで狂的に想うのが凄いって好きかもなぁって思ってしまった。思ったのですよ。

 なんというか、血なまぐさい恋愛に落ちた二人が好きって思ったのね。

 その後数年して、当時の担当刑事のロッシのもとにジェーンが救いを求めてきたのがseason4の一話。

 夢のような日々に酔いながら、時折彼氏の目の奥に自分を切断したいという欲を見て恐れを抱くようになったから逃げたーーーと。

 そんな彼女を探してこれまでロッシが救ったひとたちと恋人まで殺すシリアルキラー。

 ジェーンを取り戻したもののもはや逃げ場はない。怒りに満ちた刑事たちが囲んでいる。

 最後彼が選んだのはジェーンと手に手を取って列車の入ってきた線路に飛び降りるという最期。

 この話が私の心を抉ってくれましたねぇ。

 救いのない殺人鬼とその魅力に抗えなかった恋人の悲劇。殺された人たちを思えば何を酔ってるってものですが、なんかねぇ好き。困ったことに。

 私的には、共感と好感は個別でもでも一緒でもありってことなのかもしれない。節操なしなのかな。う~ん。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る